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染五郎、勘九郎、七之助が語る『阿弖流為』

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▲ 左より、中島かずき、中村七之助、市川染五郎、中村勘九郎、いのうえひでのり

 

 7月5日(日)~27日(月)、新橋演舞場で上演される、歌舞伎NEXT『阿弖流為』の製作発表会見で、出演の市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助と、作者の中島かずき、演出のいのうえひでのりが、作品への思いを語りました。

染五郎、勘九郎、七之助が語る『阿弖流為』阿弖流為にひかれて
 「13年前より若いんじゃないか、格好いいんじゃないかと言われることを妄想しています」。13年前にアテルイ、そして今回、阿弖流為を勤める染五郎は、歌舞伎として上演される『阿弖流為』に大きな期待を寄せ、「人として生き抜く男を演じることができれば」と力強く語りました。

 「阿弖流為という人物は鬼として描かれる作品しかなかったけれど、漫画で歴史を学べる本で、阿弖流為の死にひと筋の涙を流す田村麻呂を描いたひとコマを見て、敵同士の男と男の間になにか共感し合うドラマがあったのではと思ったんです。ならば、阿弖流為を人間として描いたら新しい芝居になるのではと」、資料を集めたり、構想を練っていたという染五郎。それが、劇団☆新感線とのコラボ企画第2弾『アテルイ』として生まれたのが2002年、「舞台にアテルイという文字が映ったとき、阿弖流為が世に出たと思った」と振り返りました。

 演出のいのうえは「染五郎くんのいろんな思いも含めて、今回、新しい形の歌舞伎になる。いろいろな意味でうれしいし、ワクワクします」と語り、作者の中島も「いつか歌舞伎になればと思っていたので、最高のキャストを得て作家冥利に尽きます」と、ともに新たな歌舞伎の誕生を喜びました。
染五郎、勘九郎、七之助が語る『阿弖流為』
『アテルイ』から『阿弖流為』へ
 歌舞伎バージョンに書き直したという『阿弖流為』は、「田村麻呂をかなり若くしました。若さゆえに間違うこともあり、ドラマも増えています。女優二人が演じた鈴鹿と立烏帽子を七之助さんの2役にしたため、そこも新しいみどころになると思います」と中島。「歌舞伎は“生”。大劇場の後ろまで声を届かせる技量の人たちなので、生の声が届くような芝居、そこに付随する音楽にします」と、いのうえは歌舞伎を意識しての作品づくりについて明かしました。

 勘九郎は、「一本気で熱い、男の中の男。そこに若さゆえの悲しみだったり、抗いがあったり…。今回は等身大の田村麻呂になると思います」と、念願の作品に出演できる喜びとともに語りました。2役を演じる七之助は、『アテルイ』を見て震えるほど感動した思い出から「プレッシャーはありますが、2役を一人で演じる、そこに意味を持ってやっていきたい」と意気込みを見せました。

染五郎、勘九郎、七之助が語る『阿弖流為』“歌舞伎NEXT”の新しさ
 「歌舞伎の400年以上の歴史をひもといて、昔の立廻りの専門職がやっていたテクニックなども掘り起こしたりして、歌舞伎の引き出しをいのうえさんにたくさん渡し、料理していただきたいと思っています」。新しいものをとり入れたところもあれば、歌舞伎の手法を入れた場面もありといった新作歌舞伎はこれまでもありましたが、染五郎が掲げた今回の作品のキーワードは“混ぜる”。

 「(新しいものと歌舞伎を)混ぜ合わせて化学反応を目指したい」との染五郎の言葉を受け、「宝物が詰まった歌舞伎の一部でも表現できたら」(勘九郎)、「受継ぐだけではなく自分で考えて歌舞伎の可能性を広げられたら」(七之助)と、二人も挑戦に意欲を見せます。いのうえは「歌舞伎ならではの手法をとり込み、歌舞伎へのオマージュと感じるところもある」と、さっそく染五郎の言う料理の一部をのぞかせました。

 両花道に阿弖流為と田村麻呂が立って名のり、見得をする――。会見に出席した五人も「絶対、格好いい」「今から楽しみ」と口をそろえた名シーンも含め、開幕への期待は高まるばかり。「高いところにハードルを置いてそこを目指していく。新たな歴史の一ページを開く生き証人になってください」と、染五郎はご来場を呼びかけました。

 新橋演舞場 歌舞伎NEXT『阿弖流為』は7月5日(日)から27日(月)までの公演。チケットは、5月25日(月)より チケットWeb松竹チケットホン松竹にて発売予定です。

染五郎、勘九郎、七之助が語る『阿弖流為』

2015年05月08日

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