歌昇、種之助「第一回 双蝶会」舞台レポート

歌昇、種之助「第一回 双蝶会」

『彦山権現誓助剱』「毛谷村」左より、中村芝雀のお園、中村歌昇の六助、中村京紫のお幸



 8月24日(月)・25日(火)、国立劇場小劇場で開かれた「第一回 双蝶会」で、中村歌昇、中村種之助が『彦山権現誓助剱』「毛谷村」、新歌舞伎十八番の内『船弁慶』を披露しました。

歌昇、種之助「第一回 双蝶会」

『彦山権現誓助剱』「毛谷村」左より、 中村歌昇の六助、尾上松緑の微塵弾正

 歌昇、種之助が初めて取り組んだ念願の勉強会、幕開きは吉右衛門の監修のもと、歌昇が六助を勤める『毛谷村』です。

 本興行で何度も同役を勤めている芝雀がお園で、微塵弾正に松緑が出演という豪華な配役。歌昇は、先輩俳優たちの胸を借り、複雑に揺れ動く六助の心情を生き生きと表情豊かに演じて、大きな拍手を浴びました。

歌昇、種之助「第一回 双蝶会」

『船弁慶』左より、中村種之助の知盛の霊、中村又五郎の弁慶、市川染五郎の義経



歌昇、種之助「第一回 双蝶会」

『船弁慶』中村種之助の静御前

 休憩をはさんで、今度は種之助が静御前と平知盛の霊という大役に挑戦する『船弁慶』。義経を染五郎が勤め、弁慶を父又五郎、舟長を兄歌昇という配役で脇を固めます。

 松羽目の舞台の厳かな雰囲気の中、前シテの静御前では、義経との別れを悲しむ情感のこもった舞を披露し、後シテの知盛の霊では、前半と対照的な気迫あふれる演技で、幕外の引込みに拍手が鳴りやみませんでした。

2015/09/01