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南座『あらしのよるに』アフタートークに出演者が登場

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 9月16日(水)、京都四條南座「九月花形歌舞伎」新作歌舞伎『あらしのよるに』公演終了後の舞台で、中村獅童、市川月乃助、尾上松也、中村梅枝、中村萬太郎によるアフタートークイベントが行われました。

 公演終了後の舞台に、役柄の扮装そのままに五人が現れると、満員の客席からは大きな歓声が上がりました。毎日放送福島暢啓アナウンサーの司会のもと、まずは出演者が作品にかける思いを語りました。

 「NHKの番組でこの絵本と出会ってから約12年。一昨年亡くなった母が“いつか歌舞伎にしたいね”と話していました。時間はかかったけれど、こうやって母の故郷である京都でこの芝居を初演できたことに、胸がいっぱいです。天国の母に少しでも喜んでもらえればなと思います」と語った獅童。長年の思いが詰まった舞台への挑戦、客席から大きな拍手が上がりました。

 「獅童さんの並々ならぬ意気込みに引っ張っていただいて、それで我々も一丸となり、舞台が熱くなり、お客様も熱くなる、そんな相乗効果が生まれていると思います」と月乃助が語ると、「獅童さんに一緒にやろうと声をかけていただいたときに、すごくうれしかった。自分たちでも、本当にいい作品になったなと思っております」と松也。梅枝、萬太郎も「お客様が喜んでくださっているのが、舞台にいてわかります」「毎日が楽しくて、あっという間に中日(なかび)を過ぎてしまいました」と続きます。

 トークの中で特に話題となったのは、動物を表現する拵えや演技の工夫。ヤギのたぷ役を勤める萬太郎は、稽古場での衣裳確認、通称“衣裳パレード”の日では「オオカミの皆さんの拵えは、耳や爪もあって、オオカミらしくて。でも、それに比べてヤギたちが、”人間“だったので、どうしようかと思いました」と、ヤギに見えるのか不安になったことを思い返し、その後、鼻の下に紅を入れたり、角のように髪形を工夫していることを語りました。松也は、「芝居をしているときは、動物であることを意識せず役に集中しています」と語りつつ、動きには動物らしさを出せるようなちょっとしたポイントを置いているのだそう。ヤギのグループで走り方を統一したり、手の形はヤギの蹄(ひづめ)をイメージし、同じポーズを随所でしているそうです。

 ヤギでありつつ、拵えは歌舞伎のお姫様である、みい姫の梅枝は、「(ヤギに見えるか)悩みまして、獅童兄さんに、“僕大丈夫ですかね?”と確認しました。でも、お姫様だからいいの!ということなので」。獅童も、「ヤギだということは芝居でわかりますので、お姫様はやはり綺麗なほうがいいし、古風に演じていただきたくて」と、歌舞伎ならではのお姫様の存在感に満足のようです。

 一方、オオカミのぎろ役、月乃助は、「隈取を自分で考えました。このお芝居では敵役なので、いつもは赤を入れないのですが、オオカミの本質としては僕の演じるぎろのようなオオカミが本筋。その正義感を、赤で出してみました」と、額に引いた赤い筋のこだわりを語りました。

 また、新作歌舞伎でありながら古典らしい作品の仕上がりについて、獅童は特に義太夫との掛け合いが大きい、と言います。「歌舞伎音楽や日本舞踊、そういった古典歌舞伎の要素を大切にして作品をつくった結果、こうしてお客様に届いた。つくづく、歌舞伎というものはよくできているし、そういったなかでいつもお芝居させていただいているということを、新作をつくってなおよくわかりました」「小さなお子さんや、学生さんも、最後まで一所懸命見てくださって。歌舞伎が初めてという方にも見やすく、そして、いつも古典の歌舞伎をご覧いただいているお客様にも楽しんでいただける作品になりました」と、新たな挑戦から生まれた作品の魅力を存分にアピールしました。

 トークショーの後半では、獅童が茨城県の「いばらき大使」を務める縁から、台風18号による災害に対しての義援金を募るチャリティーオークションが行われました。なお、ロビーには千穐楽まで募金箱が設置され、寄せられた義援金は南座から寄付されることが発表されました。

 「歌舞伎というのは面白いもので、新作として生まれたこの演目が、100年後、200年後には古典として演じられているかもしれない。そんなことを夢見ながら、まずは26日の千穐楽まで、皆で力を合わせて勤めます。ぜひ何度でも劇場にいらしてください」と獅童が挨拶し、拍手が鳴りやまぬうちにアフタートークは幕を閉じました。

 京都四條南座「九月花形歌舞伎」は9月26日(土)まで。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中です。

『あらしのよるに』アフタートーク

2015年09月18日

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