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橋之助、八代目中村芝翫襲名披露を発表

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 2016年10月・11月、歌舞伎座において、中村橋之助が八代目中村芝翫を襲名、同時に、橋之助の長男、中村国生が四代目中村橋之助、二男の中村宗生が三代目中村福之助、三男の中村宜生が四代目中村歌之助を襲名することが発表されました。

 「この度、来年10月・11月の歌舞伎座をはじめとして、成駒屋が大事にいたしております芝翫の名跡を、八代目として襲名させていただくことと相成りました。重ねて、親子四人で襲名させていただけますこと、本当にありがたく、感謝、感謝、感謝でございます」。緊張の面持ちながらも晴れやかな声で、襲名の喜びと感謝を語った橋之助。会見に同席した迫本淳一松竹株式会社社長からは、「襲名を機会に、さらに大きな役を演じ、大きなステージでご活躍を」とはなむけの言葉も贈られました。

 歌舞伎座に続き、翌年1月に大阪松竹座、6月博多座、12月に京都四條南座と大劇場での襲名披露を行います。さらには夏の全国巡業も視野に入れて、「1年をかけて全国で襲名披露興行を」と、安孫子正松竹副社長からの発表もありました。

橋之助、八代目中村芝翫襲名披露を発表七世芝翫からの愛情のこもったひと言
 七世芝翫が亡くなる前の平成23年8月末に、「いつまでも成駒屋という老舗を、兄弟、手を携えて守ってほしい」との言葉とともに、橋之助は芝翫の名跡を継いでほしい旨を聞かされたと言います。「手を握ってあんなに凝視して話したのは初めて。僕は芝翫の名跡を許されたのかと、わくわくしました。一生をかけて芝翫を名のって大きくしてお前にあげる、と言ってくれた言葉が心に残っています。父としての愛情を感じました」と、しみじみと思い出を語りました。

 芝翫の名前が不在となってから来年で5年、「親子四人での襲名を、先輩方、皆様が喜んでくださったのも、父の折り目正しい厳格な人柄、素晴らしい人間性あってのこと。あらためて父の偉大さが伝わってきます」と、感謝の気持ちを表しました。

芝翫型を復活させた橋之助の思い
 襲名披露狂言はまだ発表されていませんが、話題となったのが『熊谷陣屋』です。通常の上演は團十郎型ですが、四世芝翫以来、上演が絶えていた芝翫型を見せたのが二世松緑でした(昭和30年3月歌舞伎座)。「そのとき以来の芝翫型の熊谷を、十数年前にさせていただきました(平成15年2月新橋演舞場)。当時、松緑のおじさんの書抜きを拝借して、吉右衛門のお兄さんとまるで古文書をひも解くようにしてつくり上げました」。

 橋之助は、“大芝翫”といわれる四世以来の立役の芝翫となりますが、「父から話を聞き、書籍などからもこんなに天真爛漫で規格外の役者はいないと思いました。そういう大きな役者に近づくことも大事だと思っています」。四世への憧れを心に秘めながら、「当り役を現代に蘇らせるのも使命」と意欲を見せ、「芝翫を継ぐにあたって、古典を守ることも大事ですし、これからの新しい歌舞伎にも挑戦し、いろいろな垣根を越えて挑戦の場を与えていただけたらうれしい」と真剣な眼差しを向けました。

 「襲名披露狂言については、五十男が笑われるかもしれませんが、歌舞伎のおもちゃ箱をひっくり返し、あれもこれもやりたいという気持ちでいっぱいです」と本音も明かしながら、「八代目芝翫襲名、華やかで面白くてよかったね、と言っていただけるようにすることが大事」と、お客様に楽しんでいただくことを第一とした気持ちを見せました。そしてそのためにも、「やはり、自分の力が発揮できるかなと認識しているので、時代物を中心にした古典を主にやらせていただきたい」と語りました。

中村国生muneo_0928_1中村宜生

 

兄弟三人、手を携えて
 国生は「父が15歳から35年間かけて大きく、立派にしてきた名前を継がせていただくことがありがたい」と話し、宗生は「うれしい気持ちでいっぱい、同時に身を引き締めないといけないという思いも強くなってきました」と続け、宜生も「兄弟でお芝居ごっこをしていたところから始まり、こうして親子四人襲名をさせていただく…、本当にうれしい」と、若い三人の襲名への思いは、喜びに満ちあふれたものでした。

 また、昨晩はこの会見に向けて三人で話し合い、「一人ひとりが立派な役者になり、三人で手を携えて頑張るときは、誰にも負けない世界一のチームワークを」と、毛利元就の三本の矢を合言葉に決めたという、頼もしいエピソードも披露しました。舞台出演が増えてきた今も、兄弟で芝居ごっこをしているという国生からは、「襲名でどんな役をするのか、三人で役の取り合いになるのでは」と、芝居好きの兄弟ならではの言葉もこぼれました。

 「六世歌右衛門のおじ、松緑のおじさん、白鸚のおじさん、十七世勘三郎のおじさん…、素敵な役者さんとかろうじて舞台の端でご一緒させていただくことができ、その息吹きが体にしみ込んでいると信じています。自分が演じるだけでなく、後輩にその素晴しさを伝えると同時に、行儀や信念も伝え、模範となる役者になることが自分の使命です」と、最後に力強く決意を述べ、橋之助は襲名披露への道を一歩を踏み出しました。

橋之助、八代目中村芝翫襲名披露を発表

2015年09月29日

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