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松也がミュージカル『狸御殿』初日に向けて意気込みを語る

松也がミュージカル『狸御殿』初日に向けて意気込みを語る

 ミュージカル『狸御殿』 中央右から、大地洋輔、尾上松也、土屋佑壱

 

 

 8月1日(月)、新橋演舞場でミュージカル『狸御殿』が初日を迎え、主演の尾上松也ほか出演者が公開舞台稽古の前に、開幕に向けての意気込みを語りました。

 20年ぶりの再演となった今回、「バージョンアップして新作のようになりました。個性的な人たちが集まり、本当に楽しく盛り上がっています」と、再び演出に当たった宮本亜門が声を弾ませると、登場した出演者もにこやかうなずき、稽古の雰囲気のよさが伝わってきました。

 

松也がミュージカル『狸御殿』初日に向けて意気込みを語る

 右から、小倉久寛、瀧本美織、尾上松也、宮本亜門、渡辺えり、赤井英和

 

 

 「明るく楽しく、和やかにここまで来させていただいたので、初日を迎えてうれしいし、なんとか成功させたいと思っています。ファンタジックな世界を描いており、パロディーもあり、いろんな要素がある作品です。演じる狸吉郎は王道の王子像ですが少し陰もあるので、自分なりの狸吉郎を表現できたらいいなと」と、松也も稽古場の空気をそのまま舞台にと意気込みました。

 

 初ミュージカルで稽古初日から感情移入し過ぎて号泣したというヒロインきぬた役の瀧本美織は、「自分がおとぎの世界にいるような気分になりました」と、すっかり芝居に入り込んでいるようです。小倉久寛は松也から稽古着の帯をもらったエピソードを披露し、赤井英和は「稽古から歌を楽しませてもらいました」と、賑やかな稽古場の様子が次々と明かされました。

 

 渡辺えりが「久しぶりにシリアスな役のつもりでしたけど、考えてみたら狸の女帝が人間に憧れてこの格好なんですよね」と、にこやかにきらびやかな衣裳の袖を広げると、宮本が「狸なので、怒るとお腹をポンとたたくところも見ものです」と、つっこみを入れるひと幕もありました。「和物あり、オペラあり、バレエあり。日本でもこんなエンターテインメントができるんだと、見ていただけると思います。テンポ感があって古い感じがしないんじゃないでしょうか」と、宮本が語り、出演者も「歌、踊り、笑い、涙、いろんなものが詰まった楽しい舞台」と口をそろえました。

松也がミュージカル『狸御殿』初日に向けて意気込みを語る

 ミュージカル『狸御殿』 右より、尾上松也、瀧本美織

 義太夫の床に登場した語り部(柳家花緑)が、せりふどおり「まるで落語みたい」に物語の扉を開けるミュージカル『狸御殿』。継母と義姉二人にいじめられているきぬた(瀧本)が、花嫁探しの宴から抜け出てきた狸御殿の若殿、狸吉郎(松也)と出会ったものの、慌てて帰ろうとして片方の草履が脱げてしまい…。

 

 第一幕は「シンデレラ」の物語を借りながら、馴染みのあるオペラ、バレエのメロディーが随所にとり込まれており、特に、許嫁候補の十六夜姫(翠千賀)がいかにも怪しげに、そして高らかに「魔笛」の一節に合わせて歌い上げる一場は圧巻です。

 

 狸の国を治める狸御殿の女王、きららの方(渡辺)は、息子の狸吉郎が運命の人と信じて探し求めたきぬたと、幸せそうに過ごす姿を見て、女王と母の狭間で苦悩する気持ちを切々と歌い上げます。一方、「白雪姫」の王妃よろしく、この世で一番美しいと信じて疑わない十六夜は、狸吉郎に選ばれなかったことを恨み、きぬたに罠を仕掛け…。きぬたの窮地を救う鍵を握るのは、山賊の泥右衛門(赤井)と白木蓮(城南海)。白木蓮の情感豊かなシマ唄の歌声は、物語全体を支配するがごとく響き渡ります。

 

 狸吉郎は十六夜の仕掛けた策に気づかなかった自分を嘆き、「愚かな男」を歌います。第一幕でのきぬたとの出会いにときめく「運命の人」と、2曲のソロを松也がたっぷりと聴かせました。数々のミュージカルを手がけてきた宮本に、「驚いた」と言わせた松也は、ほかにもデュエットなど全5曲を歌い、エピローグではさらに新たな挑戦を見せています。

 「ご家族で楽しんでいただける作品になっています」と松也が言うとおり、さまざまなエンターテインメントの要素が詰め込まれ、子どもも大人も楽しめる作品となったミュージカル『狸御殿』。2016年の夏にふさわしい演出も見逃せません。公演は8月27日(土)まで、チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中。なお、16日(火)夜の部終演後には、松也と瀧本による「アフタートークショー」が開催されます。詳しくは、下記の特設サイトをご覧ください。

 

ミュージカル『狸御殿』特設サイト

2016/08/01