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三代目市川右團次襲名披露で賑わう新橋演舞場「壽新春大歌舞伎」

 1月3日(火)、新橋演舞場「壽新春大歌舞伎」が開幕、市川右近改め三代目市川右團次襲名披露、二代目市川右近初舞台で、初日から盛況となりました。

 新橋演舞場の新年の幕開きは三代目右團次襲名披露狂言、通し狂言『雙生隅田川(ふたごすみだがわ)』です。

 

 序幕に登場するのは、乳母に付き添われて現れた梅若丸。父の名を二代目として継ぐ市川右近です。「澤瀉屋!」の声もかかり、堂々とした初舞台の第一歩となりました。そして、奥へ引っ込んだと思う間もなく現れたのは、花桶を持った松若丸で、愛らしくも見事な早替りを見せて場内からは大きな拍手を浴びました。双子の母、班女御前(猿之助)、勅使大江匡房(中車)、吉田家乗取りをねらう景逸(猿弥)ら、澤瀉屋一門にすっかり溶け込んだ様子で演じていました。

 

 続いて、これまで師匠の猿翁が演じてきた猿島惣太で、いよいよ三代目右團次の登場です。「高嶋屋!」「三代目!」の声と拍手で舞台が一気に華やぎました。景逸にさらわれ、人買い稼業の惣太に売られた梅若丸。かつて仕えた吉田家の御曹司とは知らず、折檻する惣太。右團次、右近の親子共演は壮絶な結末とともに深く印象に残ります。

 

 三幕目では右團次が七郎天狗となり、班女御前の猿之助、松若丸の右近と三人宙乗りを見せました。これは、31年前、当時の三代目猿之助、菊五郎、亀治郎が見せたときと同じ珍しい宙乗りです。大詰には、右團次の奴軍介が、暴れ回る鯉を相手に大奮闘、本水の派手な演出に客席もおおいに沸きます。敵討ちがかない、お家騒動も収まっての大団円、襲名披露にふさわしい幕切れで祝福ムードもいっそう高まりました。

 

 

 夜の部の幕開きは『源平布引滝 義賢最期』。義朝の弟でありながら今は平家に仕える身となっている木曽先生義賢を、海老蔵が9年ぶりに勤めます。討死の覚悟を決めてから鬼気迫る形相で、源氏の白旗を守り抜こうと、大勢の軍兵を相手に瀕死の立廻りを見せる義賢。戸板を使った大立廻りや階段の上での仏倒しを見せ、大きな喝采を浴びました。

 

 襲名披露「口上」では、梅玉の紹介を受けて三代目右團次が、「長年名のってまいりました市川右近の名を改めまして、市川右團次の名跡を三代目として襲名いたす運びと相成りましてござりまする」と高らかに述べると、この瞬間を待ちわびていたお客様からの温かい拍手が、新右團次に贈られました。父から「新右近さん、ご挨拶を」とうながされて顔を上げた6歳の右近は、「いずれも様、ご機嫌よろしゅうござります。この度、父の名跡市川右近を二代目として襲名いたす運びと相成りましてござりまする。どうぞよろしくお願い申し上げ奉りまする」と挨拶。微笑ましい口上に客席中が笑顔になった瞬間でした。

 

 右團次が夜の部の襲名披露狂言として、悪七兵衛景清として登場するのが、『錣引(しころびき)』です。初めは順礼の七兵衛として現れ、虚無僧姿の次郎蔵(梅玉)と、互いに身上を探り合う二人。いったん別れたのち、平家の重宝を手にした景清と源氏の武将三保谷四郎国俊として対面します。一騎打ちとなり三保谷の錣を引きちぎる景清。戦場での再会を約束した景清は、衣裳のぶっ返りも見せ、花道を六方で豪快に引込んで場内を沸かせました。

 

 切狂言は『黒塚』。猿之助が自分の襲名披露で勤めて以来、新橋演舞場では2度目の安達原の鬼女を見せました。幻想的な舞台装置、照明の効果があいまって、鬼女のもつおどろおどろしさ、さらに喜びや哀しみ、怒りといった心の動きが、場内の隅々にまで伝わっていきます。第二景で老女岩手が軽やかに踊る場面では何度も拍手が起き、第三景の花道での仏倒れには客席がどよめきました。最後に、右團次が初役で勤める阿闍梨祐慶たちの法力により鬼女が息絶えると、張りつめた空気が一気に解き放たれ、満場の拍手とともに初日の幕が降ろされました。

 

 新橋演舞場「壽新春大歌舞伎」は27日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中です。

 

三代目市川右團次襲名披露で賑わう新橋演舞場「壽新春大歌舞伎」

 

※澤瀉屋の「瀉」のつくりは正しくは“わかんむり”です。

※高嶋屋の「高」は正しくは“はしご高”です。

2017年01月04日

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