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猿之助が語る、スーパー歌舞伎II『ワンピース』再演

猿之助が語る、スーパー歌舞伎II『ワンピース』再演

 

 

 10月6日(金)から始まる新橋演舞場「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」について、演出・出演の市川猿之助と、脚本・演出の横内謙介が語りました。

 尾田栄一郎作の大人気漫画「ONE PIECE」が歌舞伎になる記者発表が行われたのが、ちょうど2年前。10月の新橋演舞場へに2年ぶりに帰ってくる『ワンピース』は、再演といっても「バージョンアップではなく、新たな『ワンピース』という気持ちです。ご覧になった方の期待をいい意味で裏切り、初めてご覧になる方にも感動してもらえるものを」と猿之助は意気込みを見せました。

 

猿之助が語る、スーパー歌舞伎II『ワンピース』再演

漫画と歌舞伎は想像以上に相性がよかった

 「尾田先生は作品に日本の義理人情を織り込まれている」と感じた猿之助は、「漫画という表現で新しいもののように見えるけれど、中身は日本人に脈々と受け継がれてきたものだから、やっていてやりやすい」と言います。それは見せ方にも変化を与え、「余計な説明が減りました。先生の描く、人間の変わらないもの、ドラマに感動するのであって、登場人物の特殊能力の表現などに重きを置かなくていい。その分、ドラマに時間を使える、より普遍的なものをお見せできる」。

 

 また、横内は「思った以上に歌舞伎と『ONE PIECE』は親和性が高い、と演劇仲間たちからいわれました。漫画は輸入文化のようだけれど日本文化の発展形であり、日本文化の源流にいながら新たなものを受け入れていく歌舞伎と、出会うべくして出会った、再会したのだという気がしました」。漫画の世界を表現するにあたり、「歌舞伎俳優は役のストーリーをしっかり組み立て、気持ちが出てくる装置がうまく作動したとき、この人たちは輝くんだなという体験をしました」。

 

 エースやイワンコフなど歌舞伎以外で活躍する俳優の出演も話題になりました。「いずれも異色であり、キャラクターが立ってないといけない役です。歌舞伎俳優がやるとどうしても情緒が出てしまい、歌舞伎のよさが邪魔になることがあります。異色なものが入ることが、役の異質と重なってよくなるかなと」、猿之助が期待した化学反応の結果はご覧のとおりです。

 

猿之助が語る、スーパー歌舞伎II『ワンピース』再演

大阪と博多で大きく進化、東京でさらに変わる

 新橋演舞場で幕を開けた『ワンピース』は翌年、大阪松竹座、博多座で上演を重ねました。「2カ月もやっているとリクエストが多くなり、大阪公演までに大きく練り直し、別なものといっていいくらい進化しました」。なかでも横内が特に感じたのは、「せりふがたったひと言の役でも原作のファンがいるということ。俳優さんたちはその役の名前をもらうと、原作に立ち返って役を考え、その結果、もう一つ輝きを増して臨んでくれました」。

 

 「素晴らしい作品を生み出すには、やはり再演を重ねることが必要」と、声を大にする猿之助ですが、「新たな工夫をしようとして、いじりすぎてもダメになることがある」とも言います。本水、早替り、宙乗りという王道を置き、「プラスアルファで何をするか。今年、(主題歌提供の北川悠仁さんのユニット)ゆずの20周年記念ライブを見てまた刺激を受けました。最新の技術で映像を使った演出になると思います」。ただ、技術の進歩をどれだけとり入れるか、「そのパーセンテージが難しい」とも。

 

主役が代わる「麦わらの挑戦」は皆の挑戦の場

 稽古で、自分の役を若手に代わってもらって演出するやり方は、伯父の猿翁譲り。そんななか、かつてスーパー歌舞伎でも行われた特別マチネが今回、若手を抜擢する「麦わらの挑戦」の上演になります。ルフィは尾上右近。「巳之助くん、隼人くんもルフィができる。じゃあ、そのときの巳之助、隼人の役はと考えたらいなかった。この二人には代わりがいない、彼らはそれだけ役を自分のものにしてしまったんです。でも、ルフィが代わった分、カバーをしないといけないから、(同じ役を勤める)彼らにとってもやはり挑戦なんです」。

 

 「麦わらの挑戦」では、隼人はマルコにも挑戦します。全員が全力で場内を盛り上げている二幕目の終わり、「宙乗りしながら、袖から舞台を見ている隼人くんを見つけました。皆が死ぬほどの思いでやっているときにひと息ついている人を、私は許しません(笑)。この一座は空いている人をどんどん使って無駄にしませんから」と、猿之助が冗談交じりに明かしました。

 

 猿之助はこれまで3役演じていましたが、今回は通常公演でルフィとハンコック、「麦わらの挑戦」でシャンクスを勤めます。物語の構成上、「早替りでできる、とひらめいて」、通常公演のシャンクスは平岳大に。「平さんのシャンクスは原作のイメージに近いから、私は思い切り歌舞伎のかっこいいシャンクスで行こうと思います。対比もつきますしね」と、どちらも観ずにはいられない「仕掛けをする」のも忘れていません。

 「尾田先生から、君は何をやってもルフィにしか見えない、もう大丈夫という言葉をいただきました。役の心さえつかんでいれば何をやってもいいという、究極の教えがあります。再演にあたっては皆、役が自分のものになっていると思うので、私も役の心をつかんだうえで自由に羽ばたいてみたいと思います」

 

 新橋演舞場「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」は、10月6日(金)から11月25日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で、8月20日(日)より10月公演分、9月18日(月・祝)より11月公演分が発売予定です。

2017年07月26日

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