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菊之助が日印友好交流年記念でインドにて『鐘ヶ岬』披露

菊之助が日印友好交流年記念でインドで『鐘ヶ岬』披露

 「日本とインドの伝統芸能の夕べ」 左より、カタカリ・インターナショナル・センターのカタカリダンサー、尾上菊之助、藤井泰和(唄、三味線)、川瀬露秋(唄、箏) 撮影:加藤 孝(3点とも)

 

 

 8月20日(日)、インド ニューデリーの日本大使館で開かれた日印友好交流年記念行事、「日本とインドの伝統芸能の夕べ」で、尾上菊之助が舞踊『鐘ヶ岬』を披露しました。

 日印文化協定発効60周年の今年、数ある記念行事のなかでも、両国の舞踊を同時に披露したこの日は、特に注目が集まりました。ニューデリーにある在インド日本大使館に集まったのは、日本とインドの政府や企業、文化関係者ら、およそ150人。初めに披露されたのはインドの四大舞踊の一つで、南西部を代表する古典舞踊、カタカリでした。

 

 歌舞伎の隈取のような独特の化粧と、カラフルで豪華な衣裳で、三人のダンサーが歌と演奏をバックに、「マハーバーラタ」の一節「Bhagavath Dhooth」を披露。カタカリはかつては歌舞伎と同じく、男性のみが踊り、女方が存在しました。今回披露されたのは、賢者クリシュナがドゥルヨーダナのところへやってきた場面で、このあといよいよ戦いが始まることになります。

 

菊之助が日印友好交流年記念でインドで『鐘ヶ岬』披露

 『鐘ヶ岬』 尾上菊之助。両国旗が掲げられたステージ。特設の花道もしつらえられました

 続いて上演されたのが、菊之助が踊る地唄舞『鐘ヶ岬』です。インドに発つ前、菊之助は、「女方というものが、インドの方に芸術の一つとして見ていただけるように舞わなければいけないと思います。『鐘ヶ岬』は日本舞踊の持つ美しさ、情念といったものが入っており、女方とともに日本の舞踊の面白さも感じていただければ」と、語っていました。 

 

 屏風を立てたステージに、特設の花道を通って現れた菊之助は、女の情念、鐘に対する思いを踊りで表現。20分ほどの舞台が終わると同時に、観客から大きな拍手を浴びました。上演後の記者会見では、「インドの方から、歌舞伎の舞踊について、興味深かったというご感想をいただけたので、日本の文化を受け入れていただけたんだなと実感しています」と、十分な手応えを感じている様子を見せました。

 

菊之助が日印友好交流年記念でインドで『鐘ヶ岬』披露

 『鐘ヶ岬』 尾上菊之助

 日印友好交流年という記念の年に、8月はインドで『鐘ヶ岬』を踊り、10月には日本で『マハーバーラタ戦記』を上演する菊之助。会見では、そのめぐり合わせを「光栄」と感謝し、両国の文化交流に思いを馳せました。会場となったインド大使館には、天皇陛下が皇太子時代に植樹された菩提樹があり、「それがすごく大きくなっていて、日本とインドの交流が、この樹とともに育っているのだなと」、感じ入っていました。

 

 また、実際に見たのは初めてというカタカリについては、「非常に迫力のある舞台でした。手の動き、目の動きなど、歌舞伎のルーツはここにあるのではないかと思ったほど」、親近感を持った様子。「芸術をさかのぼると、神に捧げるものという一面にいきつきます。歌舞伎座には櫓があり、公演のときはそこに宿る神に捧げる気持ちで踊るのですが、カタカリの舞台からも芸術は捧げるものということを感じました」。

 

 「日本とインド、まだまだお互いに知りえないことがあります。もっともっと芸術が両国で見られるように、インドで歌舞伎公演もできるといいですね。モディ首相は親日家でいらっしゃいますし」。今回、踊りを通じて両国の文化交流の一翼を担った菊之助は、ますますの文化交流を願いました。そして自身も、10月歌舞伎座での『マハーバーラタ戦記』上演に向けて、インド滞在中にヒンズー寺院やガンジス川を訪れ、「お祈りの仕方なども教えていただこうと思っています」と、インドの文化にふれることが楽しみと語りました。

2017年08月25日

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