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「吉例顔見世興行」襲名披露記念行事のお練りで賑わう京都

「吉例顔見世興行」襲名披露記念行事のお練りで賑わう京都

 

 

 11月5日(日)、「當る戌歳 吉例顔見世興行」の襲名披露記念行事として、中村芝翫、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助が「成功祈願祭並びにお練り」に登場しました。

 紅葉の季節となり、観光客シーズンに入った京都で、芝翫親子の襲名披露記念行事が行われました。天候に恵まれ、八坂神社で成功祈願を行った八代目芝翫、四代目橋之助、三代目福之助、四代目歌之助が、本殿から現れると、集まった皆さんから歓声とともにたくさんの「成駒屋!」の声がかかりました。円山公園を練り歩く間も声援を受け、芝翫は「ありがとうございます」と笑顔で応えながら、親子そろって知恩院南門へと向かいました。

 

 南門前で人力車に乗り、一行は今年の「吉例顔見世興行」の会場となるロームシアター京都のある岡崎公園を目指します。襲名披露の高張提灯と賑やかな鉦太鼓に先導され、襲名披露の幟とともに、人力車でゆっくりと京の街中をお練り。行き交う皆さんも足を止め、手を振ったりカメラを向けたりと、襲名披露の四人を温かく迎えてくださいました。

 

「吉例顔見世興行」襲名披露記念行事のお練りで賑わう京都

 

 

 平安神宮の大鳥居をくぐって人力車を降りた四人は、岡崎公園内の紅白幕がかかった特設ステージにそろって登場、待ちかねていた歌舞伎ファンの皆さんを前にあらためて挨拶しました。

 

「吉例顔見世興行」襲名披露記念行事のお練りで賑わう京都

 橋之助は、「昼の部『寿曽我対面』で大役、曽我五郎を勤めます。顔見世興行でこんなに大きなお役をさせていただけることを本当にうれしく思っております。ぜひご覧ください」とアピール。

 

 福之助は、「この1年の成果を京都で見ていただければと思っております。襲名が終わっても期待してもらえる役者でありたいなと思います」と抱負を述べ、歌之助は、「『寿曽我対面』で八幡三郎、『俄獅子(にわかじし)』で鳶頭を勤めます。勉強させていただきながら、精いっぱい精進いたします」と、感謝の気持ちを込めて挨拶しました。

 

 「今日は大勢の方にお越しいただきまして、たいへんうれしゅうございます。私は、10代の頃から若手歌舞伎公演、復活公演でいろいろな大役をやらせていただいた南座に、京都に、皆様に育てられたといっても過言ではないと思います」と、京都への思いを語ったのは芝翫。「三人の息子をはじめ、今、若手がものすごく多うございます。これから支えてくださる、応援していただきたいファン、若い方にもぜひ、顔見世に足を運んでいただきたいというのが、僕の願いでございます」と、ご来場を呼びかけました。

 

 そして最後に、「力不足の我々一家ではございますけれど、皆様のお支えをいただいてどうにか無事にこの顔見世興行が大成功に終わりますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます」とのあらためてのお願いに、いっそう大きなかけ声もかかり、芝翫は感謝を込めて一礼しました。

「吉例顔見世興行」襲名披露記念行事のお練りで賑わう京都

 挨拶を終えた一行は大きな拍手で見送られながら、平安神宮での成功祈願祭へと向かいました。

 

 今年は、南座の氏神様の八坂神社に続き、ロームシアター京都に近い平安神宮にも、襲名披露の公演の無事と成功を祈ります。澄んだ空気に身も引き締まる平安神宮で、伝統の顔見世興行の灯を絶やすことなく万全を期し、あとは初日を幕を開けるばかりとなりました。 

 

 ロームシアター京都 メインホール「京の年中行事 當る戌歳 吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎」は、12月1日(金)から18日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で本日より販売しています。

2017/11/05