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海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

 

 

 1月3日(水)に初日の幕を開ける新橋演舞場「初春歌舞伎公演」で、全演目に出演する市川海老蔵が、公演への思いを語りました。

5つの音楽を舞台上で演奏

 11時開演のAプロでは、九世市川團十郎生誕百八十年の年初にあたり、九世が制定した新歌舞伎十八番『鎌倉八幡宮静の法楽舞』を上演します。「ほぼ資料のないなか」から『静の法楽舞』に『油坊主』『釣狐』などを入れ込んでつくり上げるもので、九世團十郎の上演時、「さほど評判がいいものではありませんでした。しかし、好評ではなかったものにメスを入れるのも、後続として先人に対する敬意の一つではないか」と、意欲的にとり組みます。

 

 眼目は音楽で、河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子の五重奏。「5つの音楽が一つの演目で奏されるのは歌舞伎史上初めて。後々、評価されればいいと思ってつくっております」。同じ新歌舞伎十八番『紅葉狩』の三方掛合でさえ、舞台にずらりと演奏者が並んで聴かせる音楽は圧巻ですが、さらに河東節と清元も加わるという豪華さは、掛合の妙も合奏の迫力も想像がつきません。「歴史の結晶を残したい」と、海老蔵は力を込めました。

 

海老蔵が語る、新橋演舞場「初春歌舞伎公演」

 九世團十郎は静御前ひと役でしたが、海老蔵は7役。早替りも含め、「多くの役をご覧いただいて、お正月からお客様に楽しんでもらおう」という趣向です。初春を寿ぐ「口上」でのにらみも同様。そして、幕開きの『天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)』は、獅童が初役で徳兵衛ほか3役に挑み、ケレン味あふれる舞台を見せます。「病気が治って本当によかった。歌舞伎役者は生まれてから死ぬまで同志、最高の仲間たちだから」と、その仲間との久々の共演を喜びました。

 

昔話をテーマに面白いことをする

 Bプロは通し狂言『日本むかし話』。海老蔵の自主公演「ABKAI(えびかい)」の第一回、第三回で上演したものを元に、5つの昔話を一つの新作歌舞伎として上演します。「ちょっとロマンになりますけど、昔話とは地球外生命体の話ではないか、日本人の発想力の豊かさが昔話をつくったのではないかと、ずいぶん前から思っていました」。何か不思議な体験、出来事があったからこそ話が生まれたのではという思いが、「皆さんがよく知っている昔話をテーマにした歌舞伎をつくりたい」につながりました。

 

 「歌舞伎は古典のなかに真髄があり、古典に一番の面白さがある」と言い切る海老蔵は、それを知っていただくために、「面白いことをするのも、我々歌舞伎俳優の一つの作業」であり、昨今、新作歌舞伎が多いのもそのためで、これは同世代の共通認識だと語りました。今回の作品で、「演出の宮本亜門さんと初めて会ったときに話をしていた」とおりの上演が、ようやくかなうことになります。

 

後に続く者として、後に続く人たちへ

 「通し狂言には舞踊の一場面を定義づけている」という海老蔵は、一寸法師を舞踊で表現します。すでにできている続編の構成上、「ちょうどこのあたりで一寸法師の登場が必要なので」と、鷹之資が踊ります。40歳を迎えて自分の後に続く人たちのことも考えるようになったと言い、かぐや姫の児太郎にも、「宙乗りを工夫したいと亜門さんと相談させていただいている」と、活躍の場が用意されています。「私はシロ(犬)で宙乗り」、Aプロでは獅童が宙乗りと、それぞれの演出も楽しみです。

 

 海老蔵の娘、堀越麗禾は平成26(2014)年3月に八千代座で初お目見得を果たして以来、東京初お目見得の歌舞伎出演です。歌舞伎十八番を制定した七世團十郎が新歌舞伎十八番制定を思いなかばで世を去り、それを引き継いだのが九世團十郎。九世が制定した演目からつくり上げた作品を、十二世團十郎に続く海老蔵が上演。そして、次の世代を担う若手から小さな成田屋までもが一つの舞台で共演する…。来年の新橋演舞場は、脈々と続く歌舞伎を目で耳で感じる公演からスタートすることになります。

 新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は、1月3日(水)から26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

2017年12月20日

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