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こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 こども歌舞伎スクール「寺子屋」の「第四期 修了発表会」 梅コースの第四期生による『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」

 

 

 2月18日(日)、歌舞伎座ギャラリーの木挽町ホールで、こども歌舞伎スクール「寺子屋」の「第四期 修了発表会並びに成果発表会」が開かれました。

 こども歌舞伎スクール「寺子屋」開校から4年が経ち、昨年入校した梅コース(基礎コース)の第四期生25名、2年間学んだ竹コース(発展コース)の第三期生24名(1名は舞台出演中のため欠席)による、「修了発表会」が開催されました。「寺子屋」の在籍は小学生までですが、今年は、4年間学んだ第一期生のために新設された中学部門の「成果発表会」が、新たに開かれました。

 

 開演前から立ち見も出て大盛況の木挽町ホールで、最初に梅コースの生徒さんによる『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」から修了発表会が始まりました。第四期生はゼロからスタートして1年、稽古での頑張りがこのひと幕にしっかりと表れ、客席から大きな拍手が起きました。続いて第三期生の『京鹿子娘道成寺』。所化の幕開きのせりふと、花傘の総踊りで、六人が息を合わせ、きっちりとせりふを渡し、形をきめられたのは努力の賜物。生き生きとした笑顔に惜しみなく拍手が贈られました。 

 

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 「第四期 修了発表会」 竹コースの第三期生による『京鹿子娘道成寺』

 休憩をはさんで今度は、梅、竹、松コースの課程を終え、舞台出演を目指して学ぶ中学部門の成果発表会が始まりました。『菅原伝授手習鑑』「車引」の梅王丸と桜丸、そして松王丸を6名が1役ずつ演じ、もう1役は時平公、杉王丸、金棒引に回って2回上演。仕丁役には、松コースの小学5・6年生が助演し、全員そろいの寺子屋の稽古着で、すっかり役になりきって立派な舞台姿を見せました。また、三味線に乗せてのノリぜりふなど、せりふ回しにも勉強の成果がよく出ていました。仕丁たちの化粧声もよく響き、ツケも入って見得をきめると、ひときわ大きな拍手を浴びていました。

 

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 「成果発表会」中学部門 朗読劇『お嬢さん乾杯』

 会の締めくくりは朗読劇『お嬢さん乾杯』。昭和の名作映画が新派の舞台で上演されたのが5年前。その台本を三人のみの朗読劇としてよみがえらせる難しい舞台でしたが、華族の物言いや耳慣れない言い回しも自分のものにし、テンポよく芝居を運びました。一人で何役か語り分けたり、情感たっぷりに語ったりと、しっかりと言葉を客席に届ける稽古が一つの成果となって表れた舞台となりました。

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」 左より、市川猿紫、片岡千次郎

 今回も『寺子屋』では歌舞伎俳優が助演として参加しました。「こんな大役、貴重な体験、今日は僕らも勉強させていただきました」と言ったのは、子役で勤めた小太郎を思い出したという千次郎。「小さいうちから、こうして肌で舞台を体感できるのはすごいこと。絶対身につきますし、将来が楽しみです。歌舞伎をもっと好きになってほしいし、志してほしい」。

 

 初役の戸浪を勤めた猿紫は、「お子さんたちがしっかりお稽古を積んで舞台に出ていて頼もしく、こちらのほうが緊張していました。僕も小さい頃から日本舞踊の稽古はしていましたが、その頃に師匠から言われたことは、芸のことに限らず、とてもよく覚えています。こども歌舞伎スクールでは、礼儀や感謝、人間としての心も育っているのでは」と、感心しきり。

 

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」 大谷桂太郎

 「またこれをやれるとは」と喜んでいたのは、勉強会以来の涎くりを勤めた桂太郎。「本番ではアクシデントも起こりますし、いかに稽古が大事かをあらためて思いました。そうして本番になったら楽しんでやること。今日も子どもさんたちが楽しんでいる感じがうれしかったし、こちらも楽しく、元気をもらい、また頑張っていきたいなと思えました」。

 『車引』の指導にあたった梅乃は、舞台を終えたばかりの生徒さんを前に、「今日が一番、元気に声を出してのびのびやっていました。安心して見ていられました」とねぎらいました。「仕丁役は立ちっぱなしで大変だったでしょう。ほかの役はまた次にやっていきましょう」と舞台の全員に目を配り、「素晴らしい結果を出してくれたので、本当に幸せです」と喜びの気持ちを表して、親御さんたちへも感謝の言葉をかけました。

 

 発表会後、1年間の指導を経て、「今日は見守っていれば大丈夫と確信していました」と言ったのは蔦之助。「中学生は芸術の感性において、自我が芽生える年代だと思います。そこで歌舞伎の大人の演技をしたことは、一生残るのでは。彼らの段階は基礎をきっちり教えることが大事だと思ったので、お稽古は何回も細かくやりました。そして、声出しから始めて、竹本さんのノリに乗れるようにまでなりました。満足ですし、なによりうれしかったです」と笑顔を見せました。

 

 主に立廻りの指導をした千藏も同じく、「大事なのは形。タイミングと形をきめさせるのが難しいところで、普段のお稽古は地味なんです。今回は発表会に向けて段階を踏んで稽古できたので、ある程度形もきめられ、動きもよくできました。一所懸命、上手にやってくれました」とにっこり。「地味な稽古を、興味を持って楽しくやってくれればと、いつも苦労しています」と明かしましたが、指導の成果も現れた発表会となりました。

 

こども歌舞伎スクール「寺子屋」で修了発表会、成果発表会

 「成果発表会」 中学部門『菅原伝授手習鑑』「車引」(仕丁は松コースの第一期生、第二期生の小学5・6年生)

2018年02月20日

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