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勘九郎、七之助「春暁特別公演 2022」「陽春特別公演 2022」のお知らせ

　3月6日（日）から全国16カ所で開催される「春暁特別公演 2022」と、3月30日（水）から全国5カ所で開催される「陽春特別公演 2022」について、出演する中村勘九郎と中村七之助が思いを語りました。

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　勘九郎、七之助を中心に、中村屋一門が毎年行う全国巡業公演。平成17（2005）年から行われ、一昨年はコロナの影響で全公演が中止となったものの、翌令和3（2021）年の春の巡業からは、中村勘太郎と中村長三郎も参加し、注目を集めています。

巡業公演への思い

　「私たちにとって大事な巡業公演が、今年も行われること、そして昨年に続き子どもたちが出演できることを大変うれしく思います」と、感慨深く話す勘九郎。七之助は、「なかなか劇場に足を運べない方のために、私どもから出向いて、歌舞伎に触れてほしいと始めたこの公演が17年目を迎えます。今回は、春暁と陽春と二つの公演を春に開催させていただくことになりました。感染状況を気にしながらも、準備を怠らずに進めていきたい」と、強い思いを明かします。

　巡業の楽しみは、現地の方々とのコミュニケーションと答える二人は、その土地ならではの会話が繰り広げられるトークショーも大事にしていると言います。そのトークショーで必ず会場に聞くのが「歌舞伎を初めて観た方」、という質問。未だに手を上げる方が多いと感じる勘九郎は、「今回の栃木公演で、47都道府県すべてを巡ったことになりますが、それに満足せず、これからも全国の方々に歌舞伎を観ていただけるよう、精力的にやっていきたい」と、目標を掲げます。

お客様に幸せを届けられる芝居を

　「春暁特別公演 2022」で、勘九郎は『高坏』、七之助は『於染久松色読販（おそめひさまつうきなのよみうり）』より「隅田川千種濡事（すみだがわちぐさのぬれごと）」に出演します。これまで父・十八世中村勘三郎の高下駄を使っていたという勘九郎は、初めて自分のものを新調したと話します。「中村屋にとって大事な演目の一つです。このご時世お花見も自由にできませんが、春を先取りして、桜満開の舞台でお花見気分を味わってほしい」と意気込むと、七之助は「巡業であまりお見せすることがない早替りに挑戦します。踊りと一緒に楽しんでほしい」と、抱負を語りました。

　勘太郎、長三郎も加わる「陽春特別公演 2022」では、舞踊にもさまざまなジャンルがあることを知ってほしいと、清元2曲を披露。通常一人で踊る『玉兎』は、二人で踊れるようにこれから振りと構成を相談していく予定だと話す勘九郎は、「勘太郎は、歌舞伎座ですでに一人で踊っているので安心ですし、長三郎も稽古ではずいぶん前に仕上がっている作品なので、これからまた稽古を重ねて、皆様に楽しんでご覧いただけるようにしたい」と、父親の顔をのぞかせました。

　同じく陽春特別公演で上演される、清元の代表作『色彩間苅豆（いろもようちょっとかりまめ）かさね』について七之助は、「踊りのみならず、ぜひ曲も聴いていただきたいです。最初は恋心を踊っていくのですが、因縁から、最終的にはお化けになって…踊り分けも楽しく、素晴らしい舞踊です」と、期待をふくらませます。勘九郎勤める与右衛門と息が合うことが大事で、二人でメリハリをつけてやっていきたいと話します。

　最後に勘九郎が、「この巡業はお弟子さんたちを含め、みんなで芝居をつくり上げていくことを大事にしています。鶴松がメインとなる予定のトークショーにも期待してください」と、笑顔で話し、締めくくりました。

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中村勘九郎　中村七之助

春暁特別公演 2022

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一、高坏（たかつき）

次郎冠者：中村勘九郎
大名某：中村小三郎
太郎冠者：中村仲助（昼）
　　　　　中村仲侍（夜）
高足売：中村鶴松

二、トークコーナー

中村勘九郎

中村七之助

中村鶴松

『於染久松色読販』より