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坂東竹三郎さんご逝去

 歌舞伎俳優の五代目坂東竹三郎<ばんどう たけさぶろう、本名:岡崎 正二=おかざき まさじ>さんが、6月17日(金)午前11時28分、大阪市内病院でご逝去されました。89歳。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 大阪松竹座「七月大歌舞伎」は配役を変更して上演する運びとなります。なにとぞ、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 昭和24(1949)年5月四代目尾上菊次郎の弟子となり、大阪・中座『盛綱陣屋』の腰元で尾上笹太郎を名のり初舞台。昭和34(1959)年9月三代目坂東薪車と改名し名題昇進。昭和42(1967)年3月菊次郎の名前養子となり、朝日座『吉野川』の久我之助ほかで五代目坂東竹三郎を襲名。昭和53(1978)年上方舞の東山村流の二世家元となり、山村太鶴を名のる。

 関西に居を構える数少ない俳優の一人。『すし屋』のお米や『引窓』のお幸、『忠臣蔵六段目』のおかやなど、情愛深い母親役や『封印切』のおえん、『吉田屋』のおきさをはじめとする上方の花車方、さらにはスーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』(女医ベラドンナ)などの新作歌舞伎の舞台でも存在感を発揮した。

 自主公演「坂東竹三郎の会」では復活狂言にも取り組み、また、平成9(1997)年に開塾した「松竹・上方歌舞伎塾」の講師をつとめるなど、上方歌舞伎の振興と、後進の育成に注力した。

 最後の舞台は令和3(2021)年12月南座『雁のたより』の仲居お君。

 平成6(1994)、7(1995)、11(1999)年十三夜会賞助演賞。平成10(1998)年十三夜会賞奨励賞。平成12(2000)年大阪市民表彰。平成15(2003)年第二十四回松尾芸能賞優秀賞。平成19(2007)年第十三回日本俳優協会賞特別賞。平成21(2009)年文化庁長官表彰。平成30(2018)年度大阪文化祭賞。令和4(2022)年松尾芸能賞功労賞。

2022/06/21