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歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

 泉岳寺の山門前で。左より、竹柴潤一、西森英行、尾上松緑、坂東亀蔵、尾上左近

 2023年12月3日(日)から始まる、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」第二部『俵星玄蕃』、2024年1月2日(火)から始まる、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」昼の部『荒川十太夫』に出演する尾上松緑、坂東亀蔵、尾上左近が、作品ゆかりの地である東京 泉岳寺で墓参・法要を行いました。

 歌舞伎座では、まもなく始まる「十二月大歌舞伎」と来年1月の「壽 初春大歌舞伎」に、尾上松緑主演による「赤穂義士外伝」を二カ月連続で上演。赤穂義士が討入りを果たした12月に、まさに討入り前夜と当日を描く『俵星玄蕃』を、そして翌月に討入りの後日譚を描く『荒川十太夫』をご覧いただきます。上演に先立ち、松緑、坂東亀蔵、左近が、演出の西森英行、脚本の竹柴潤一と泉岳寺を訪れました。浅野内匠頭の墓前での法要に続き、松緑は大石内蔵助の墓、坂東亀蔵は『俵星玄蕃』で演じる杉野十平次の墓、左近は両作品で演じる大石主税の墓へ、卒塔婆を立て、手を合わせました。

 

歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

 泉岳寺の大石内蔵助墓前で

 今回の上演について、「年末ということもあり、お客様に喜んでいただけるものを、皆と一緒につくっていきたいなと思っています。気心の知れた何でも言い合えるようなメンバーですので、これからも新作物に限らず、皆で歌舞伎を盛り上げてやっていきたい」と、語った松緑。「年末に昔のように忠臣蔵がテレビなどでもかからなくなっていますが、このような古き良き日本の物語があることを楽しんでいただけるように頑張りますので、応援をしていただければ」と、お客様へ呼びかけました。

 

歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

 泉岳寺の杉野十平次墓前で

 幼い頃からよく泉岳寺へ訪れていたという坂東亀蔵は、法要を終えて「身が引き締まる思いです。無事に勤めさせていただきたい、という気持ちで手を合わせました」と話します。去年の『荒川十太夫』で、幕内やお客様からよい反応をいただけたと振り返り、「講談から歌舞伎にしてよかったなと思っていただけるとうれしいです。スタッフ、演者一同、一所懸命お客様にいいものをお見せするべく頑張っていますので、ぜひ期待して歌舞伎座にいらしてください」と述べました。

 

歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

 泉岳寺の大石主税墓前で

 左近は、「大石主税さんをふた月勤めさせていただくにあたって、ご挨拶をさせていただきました。大石主税さんは、最年少で討入りに臨み、抜け穴に最初に飛び込んでいったといわれる人物。その勇猛果敢な闘志に、思いの強さ、忠義の素晴らしさを感じます。私は年齢も近く、そのような方を勤めさせていただけることをとても光栄に思います。義士の方々に失礼のないよう、誠意を込めて舞台に立ちたいと思います」と、真摯な思いを伝えました。

 

 演出の西森英行は、「作品をどう意義のあるものとして残すか。赤穂義士の物語が現代にどう翻訳され、現代のお客様に届くかをずっと考えています」と述べ、「第2弾はプレッシャーもあります」としながらも、昨年の『荒川十太夫』に続く出演者・スタッフら素晴らしいチームで作品づくりができることを喜びます。「この作品は決して古くない。日々迷うことが多いなかに、一つの指針を渡し得る古典の力がこもった作品だと思いますので、そこを受け取っていただけたらうれしいです」。

 

 脚本の竹柴潤一は新作の『俵星玄蕃』について、「皆様の意見を頂戴して、皆様に助けていただき、お力をもらいながら、お客様に楽しんでいただける作品をつくっていきたいと思います。初心忘るべからず、狂言作者としての仕事ができればと思います」と、気合を込めます。「我々日本人がこういうものを大事にして生きてきたということを…あまり難しいことは考えずに、とにかく二カ月楽しんでいただき、ほっこりとした気持ちになって劇場をあとにしていただければと思います」と、コメントしました。

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 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は12月3日(日)から26日(火)まで、「壽 初春大歌舞伎」は2024年1月2日(火)から27日(土)までの公演。歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は、チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中、「壽 初春大歌舞伎」は12月14日(木)から発売予定です。

 

歌舞伎座『俵星玄蕃』『荒川十太夫』、松緑、坂東亀蔵、左近が泉岳寺へ

 泉岳寺の浅野内匠頭墓前で

2023/11/29