2024年2月2日（金）から大阪松竹座で始まる大阪国際文化芸術プロジェクト「立春歌舞伎特別公演」に出演の中村鴈治郎、中村扇雀、片岡愛之助、中村壱太郎、尾上右近が、公演について語りました。

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　再来年の大阪・関西万博で、国内外からの多くの来阪者に大阪の文化・芸術を楽しんでいただくことを目的とし、大阪文化芸術事業実行委員会により行われる「大阪国際文化芸術プロジェクト」の一環として上演される「立春歌舞伎特別公演」。事業の主催者である吉村洋文大阪府知事は、「大阪の文化・伝統芸術はほかには絶対負けていない。関西や大阪を舞台とした演目で上方歌舞伎の俳優さんが共演する豪華な公演になると思います」と、力を込めます。同じく主催者の横山英幸大阪市長は、「今回の公演は大阪の文化・芸術・芸能が詰まった魅力的なもの。私自身も大変楽しみにしています」と、挨拶しました。

 

　昼の部の『源平布引滝』「実盛物語」、夜の部の『新版色讀販（しんぱんうきなのよみうり）』「ちょいのせ」、『曽根崎心中』で、いずれも初役に挑戦する鴈治郎は、「不安もありますが、楽しみに、自分らしい役にできたら」と、気合を込めます。また、久々に2月の大阪で歌舞伎公演が行われることを喜びながら、「これがひと月でも多く大阪で芝居がかかるきっかけ、そして世界へ文化として発信できる歌舞伎となる足がかりになるような公演にしたいと思っています」と、力強く述べました。

 

　扇雀は、長男の虎之介と夜の部の『連獅子』を勤めます。今回の上演演目として並ぶ時代物や世話物、喜劇に加え、「この勇壮な所作事の『連獅子』で、歌舞伎の幅の広さを楽しんでいただける」と、太鼓判を押します。2月に東京の歌舞伎座で行われる十八世中村勘三郎の追善興行でも『連獅子』が上演されることに触れ、「私も追善の意味を込めて勤めたい。これまで100回以上、息子と踊っておりますので、それを磨き上げて、よりよい『連獅子』をお見せしたいです」と、真摯な面持ちで語りました。

 

　今回の公演では、『源平布引滝』の「義賢最期」「竹生島遊覧」「実盛物語」が珍しく通しで上演されることも眼目の一つ。出演する愛之助は、「演じたかった演目です」と喜びながら、通しで上演されることで、作品をよりわかりやすく味わえると説明し、期待を誘いました。上方の俳優が育つ機会を増やしたい、また歌舞伎俳優を目指す人が増えてほしいという思いから、「上方の若手やお弟子さんの出演を増やすことを考えています。上方俳優のみんなで頑張っていきたい」と、決意を新たにします。

 

　壱太郎は、『源平布引滝』で夫婦役、『新版色讀販』「ちょいのせ」と『曽根崎心中』でいずれも恋人役を演じる右近と、「二人で結婚するような意気込みで勤めさせていただきます」と、笑顔を見せます。また、作品とゆかりある土地や食文化など、大阪の魅力と連動して歌舞伎も発展していけるのでは、とアイディアを挙げながら、「いつか大阪で歌舞伎フェスをやりたいという夢があります。この公演が、未来に繋がるように勤めていきたい」と、熱い思いを伝えました。

 

　自主公演で『封印切』を演じたことを振り返り、上方の歌舞伎作品のもつ空気が好きだと話す右近。「関西の先輩方のなかに、江戸の人間として参加させていただけることは、本当にめっちゃうれしいですわ！ありがとうございます」と、関西弁を交えて話し、会場を和ませます。「先輩方の胸をお借りしながら、存分に上方の芸を探求させていただきたい。（自分が）江戸の人間だということを忘れていただけるような舞台を勤められたら」と、抱負を掲げました。

 

　吉村知事は、会見のなかで俳優たちとの楽しいやり取りを展開しながら、「肌で感じて実際に見てその場で熱量を感じる、ライブエンタテインメントの魅力を、歌舞伎俳優の皆さんに発信していただけたらなと思っています」と、期待を込めました。また、横山市長は、改めて今回の上演演目に大阪を舞台にしたものが多いことに触れ、「大阪の方はもちろん、大阪に来られる方にも、そういった視点からもご覧いただきたい」と、呼びかけました。

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　大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」は、2024年2月2日（金）から18日（日）までの公演。チケットは1月7日（日）から、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売予定です。