みどころ



巡業

平成20年度

(社)全国公立文化施設協会主催

中央コース

松竹大歌舞伎

中村信二郎改め

二代目中村錦之助襲名披露

平成20年6月30日(月)~7月31日(木)


一、橋弁慶(はしべんけい)

 武蔵坊弁慶は、五条橋に一二,三歳くらいの少年が現れ大勢の人を斬ったと言う噂を聞きました。その夜、五条橋に向かった弁慶の前に牛若丸が現れます。弁慶は薙刀をふるって牛若に挑みますが、ついに降参してしまいます。

 昔から有名な、五条橋の牛若丸と弁慶の出会いを舞踊にした作品で、勇猛な法師の武蔵坊弁慶が、優美な牛若丸に翻弄される立廻りが見所です。子供の頃からおなじみの、懐かしい物語が、長唄とお囃子による勇壮な音楽とともに歴史絵巻となって目の前に繰り広げられます。
 弁慶を松江、牛若丸を梅枝がつとめる清新な一幕です。


二、二代目中村錦之助襲名披露 口上(こうじょう)

 荘重なお囃子とともに幕が開くと、色とりどりの裃に威儀を正した俳優たちが平伏しています。
 今回は、中村信二郎が、叔父萬屋錦之介の名乗っていた中村錦之助の名跡を襲名するお披露目の口上です。新錦之助の門出を祝い、列座の俳優よりはなむけの言葉が贈られます。

 口上というのは、俳優が舞台から客席にむかって挨拶をすることで、客席との交流を大事にする歌舞伎独特のしきたりです。
 ご贔屓の俳優の、舞台姿とは違う一面が窺えると好評の、和やかな中にも古式ゆかしい一幕です。
 襲名を機会に一層精進を誓う新錦之助に、なお一層のご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。


三、彦山権現誓助剱 毛谷村(けやむら)

 豊前の国毛谷村。ひなびた山里に、六助(ろくすけ)という若者が住んでいました。山育ちながら、六助は剣術の達人。今日も微塵弾正(みじんだんじょう)が勝負を挑んでいます。ところが勝負は六助の負け。実は弾正の病気の母を喜ばせるため、わざと勝ちを譲ったのでした。
 そこへ一人の虚無僧が現れ、家来の仇と六助に斬りかかりました。六助は、供を殺された孤児を引き取って世話をしており、そのために仇と間違えられたのでした。
 斬りかかった虚無僧は実は女。名をお園(その)といい、女ながら大力でなかなかの剣の使い手。ところが斬りかかった相手が六助と知ると、急にしおらしくなり、自分は六助の嫁だと言い出すのでした......。

 早春の山里を舞台に、純朴な力持ちの青年六助と、女ながらも武道の達人お園の繰り広げる人気作品であり、新錦之助の襲名披露の一幕です。
 持ち味を生かし、気は優しくて力持ち、母親思いの好青年六助役を演じる新錦之助に温かいご声援をおおくりください。
 お園は、錦之助の兄の時蔵がつとめます。この役は時蔵の祖父から伝わる当たり役で、中村時蔵家にゆかりの深い演目です。
 微塵弾正には松江が扮し、また、後室お幸に東蔵が出演して舞台を引き締めます。
 お園がこれまでの苦労を義太夫に合わせて語り、動く「クドキ」のくだりや、幕切れの三味線に合わせて台詞をいう「ノリ地」など、聞き所、見所も多く、内容も変化に富んだ歌舞伎の魅力あふれる一幕をお楽しみください。


四、神田祭(かんだまつり)

 江戸っ子は祭りが大好き。祭りの飾りもできあがり、どこからか祭りの囃子が聞こえています。そこへほろ酔い機嫌でやってきた鳶頭の梅吉(うめきち)。いなせな男ぶりで、軽快な曲にあわせ踊りはじめます。

 公演の最後には、江戸の風俗を描いた軽快な舞踊をお楽しみいただきます。お祭りは江戸の人々にとって最大の娯楽でした。特に、赤坂日枝神社の山王祭と神田明神の神田祭は江戸っ子の誇りであり、毎年交互に本祭りが行われました。
 今回上演する『神田祭』は、その名の通り神田祭を題材にした作品です。
 登場するのは鳶頭。身軽で気っぷのいい彼らは江戸の人々の人気者。ことに祭礼は彼らの活躍する晴れ舞台でもありました。
 粋な江戸情緒を、梅玉が描き出します。
 伴奏は清元節といって、江戸で発達した三味線音楽の一流派で、軽快で華やかな音楽です。
 もともと歌舞伎は、さまざまな三味線音楽を取り入れて発展し、今では切っても切れない関係にあります。
 今回の公演では、『橋弁慶』では長唄、『毛谷村』では義太夫、『神田祭』では清元と、それぞれ特長のある三味線音楽もあわせてお楽しみいただけます。

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