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十二月大歌舞伎

十二月大歌舞伎

当公演は終了いたしました。

2007年12月2日(日)~26日(水)

昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30分~

劇場:歌舞伎座

料金(税込)

  • 1等席15,000円
  • 2等席11,000円
  • 3階A席4,200円
  • 3階B席2,500円
  • 1階桟敷席17,000円

上演時間

  • 鎌倉三代記

  • 幕間 30分
  • 信濃路紅葉鬼揃

  • 幕間 15分
  • 水天宮利生深川
    筆屋幸兵衛

  • 菅原伝授手習鑑
    寺子屋

  • 幕間 25分
  • 粟餅

  • 幕間 15分
  • ふるあめりかに袖はぬらさじ
    序幕・二幕目

  • 幕間 5分
  • ふるあめりかに袖はぬらさじ
    三幕目・大詰

演目と配役

昼の部

一、鎌倉三代記(かまくらさんだいき)

絹川村閑居の場

佐々木高綱
三浦之助義村
おくる
阿波の局
讃岐の局
富田六郎
母長門
時姫
三津五郎
橋之助
右之助

鐵之助

調

二、信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)
鬼女
山神
鬼女




太刀持
従者
従者
平維茂
玉三郎
勘太郎
門之助


笑三郎

弘太郎


海老蔵
三、水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)

筆屋幸兵衛

浄瑠璃「風狂川辺の芽柳」

船津幸兵衛
車夫三五郎
巡査民尾保守
金貸金兵衛
娘お雪
差配人与兵衛
代言人茂栗安蔵
萩原妻おむら
勘三郎
橋之助




彌十郎

夜の部

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

寺子屋

松王丸
武部源蔵
春藤玄蕃
涎くり与太郎
百姓吾作
御台園生の前
戸浪
千代
勘三郎
海老蔵


寿

勘太郎

二、粟餅(あわもち)
杵造
臼造
三津五郎
橋之助
三、ふるあめりかに袖はぬらさじ(ふるあめりかにそではぬらさじ)
芸者お園
通辞藤吉
遊女亀遊
唐人口マリア
イルウス
浪人客梅沢
同  佐藤
同  堂前
大種屋
幇間和中
唐人口チェリー
同   メリー
同 バタフライ
同   ピーチ
芸者 奴
同 太郎
帳場定吉
旦那三河屋
同 駿河屋
同 伊東屋
思誠塾多賀谷
同   飯塚
同   松本
同   小山
同   岡田
岩亀楼主人
玉三郎

七之助

彌十郎
権十郎
海老蔵







笑三郎

寿
男女蔵

友右衛門
段治郎
勘太郎
門之助
橋之助
三津五郎
勘三郎

みどころ

昼の部

一、鎌倉三代記(かまくらさんだいき)

  絹川村閑居の場

 北条時政との戦いで、劣勢を余儀なくされている源頼家の家臣・三浦之助(橋之助)は、絹川村に住む老いた母長門(秀調)のもとへ、暇乞いに訪れます。出迎えたのは、時政の娘ながら三浦之助の許嫁の時姫(福助)。気丈に息子との対面を拒む長門とは対照的に、夫となる人をかき口説きますが、三浦之助は、敵方となった姫に心を許しません。そんな時姫を呼び戻そうとやって来たのは、時政方の足軽・安達藤三郎(三津五郎)。しつこく時姫に言い寄り、姫に斬りかかられて逃げ出す始末ですが、実は、その正体は佐々木高綱。三浦之助と共謀し、時姫に父時政を討たせようという魂胆だったのです。
 おどけた前半から、ガラリと変わり勇将の本性を顕す高綱、前髪の美しい美少年・三浦之助、彼を必死に恋い慕うけなげな時姫。いずれも絵になり見せ場に富む、濃厚な味わいの義太夫狂言です。

二、信濃路紅葉鬼揃(しなのじもみじのおにぞろい)

 信濃の戸隠山を通りかかった平維茂(海老蔵)と従者(右近・猿弥)を紅葉狩りに誘う、美しい上臈(玉三郎)と侍女たち(門之助・吉弥・笑也・笑三郎・春猿)。酒に酔ってまどろむ維茂のもとに、山神(勘太郎)が訪れ、上臈たちの本性を告げて、直ちに逃げるよう促します。間もなく鬼女に豹変した上臈と侍女一行が現れ、維茂たちに襲いかかります。
 能の『紅葉狩』を歌舞伎化した舞踊劇で、今回は構成も新たになりました。華やかで迫力に富む一幕となることでしょう。

三、水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)

  筆屋幸兵衛

 直参だった船津幸兵衛(勘三郎)は、明治維新により没落士族となり、今は筆を売って細々と暮らしています。妻に先立たれ、目の不自由な娘お雪をはじめ、三人の子供を抱えた生活は苦しく、高利貸しの金兵衛(猿弥)や代言人の茂栗安蔵(彌十郎)の取り立てに、身ぐるみ剥がされてしまう始末。もはやこれまでと一家心中を決意した幸兵衛は、切っ先を向けた子供たちを前に、ついに辛さあまって発狂してしまいます。
 暴れる幸兵衛を、車夫の三五郎(橋之助)がなだめるところへ、剣術家の萩原良作の妻おむら(福助)が訪ねてきて、乳呑み子の幸太郎に乳を与えようとすると、幸兵衛は幸太郎を奪い返し、そのまま外へ駆け出し身投げしてしまいます。野次馬が囲む中、巡査民尾保守(獅童)の調べに応じているのは、命を取り留め、正気に戻った幸兵衛。これも水天宮様の御利益と、みなは喜び合います。
 明治18年に初演された河竹黙阿弥の「散切物」の代表作で、あまりの悲惨さに気がふれてゆく、幸兵衛の凄絶な演技がみどころ。十七代目勘三郎の当り役に、当代勘三郎が満を持して初挑戦します。

夜の部

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

  寺子屋

 菅丞相の家臣・武部源蔵(海老蔵)は、妻の戸浪(勘太郎)と寺子屋を営みながら、主人の子菅秀才をかくまっています。それを知った敵の藤原時平は、菅秀才の首を出すよう命じ、臣下の松王丸(勘三郎)を首実検に差し向けます。源蔵は苦悩の末、今日、母の千代(福助)に連れられ寺入りした小太郎を身替わりにします。実はこの子の親こそ、松王丸。心ならずも敵方に与する松王丸の、これは命を賭けた償いの行動だったのです。
 わが子を犠牲にする松王丸夫妻の慟哭と、他人の子を殺さざるを得なかった、源蔵夫妻の宮仕えのつらさ。胸を打つ義太夫狂言の名作です。

二、粟餅(あわもち)

 威勢よく現れたのは、二人組の粟餅売りの杵造(三津五郎)と臼造(橋之助)。搗きたての粟餅をちぎっては、粉が入った鉢に投げ入れる曲搗きを見せたり、交互に六歌仙を演じ分けたりと、きびきび軽やかに踊ります。
 江戸時代、曲搗きで知られた粟餅売りの風俗を写した常磐津舞踊。踊り巧者、三津五郎と橋之助の息の合った組み合わせが楽しみです。

三、ふるあめりかに袖はぬらさじ(ふるあめりかにそではぬらさじ)

 文久元(1861)年。江戸幕府が開港した三港のうちのひとつ、横浜にある遊郭岩亀楼には、外国人相手の「唐人口」と呼ばれる遊女もいて、連日賑わっています。気風がよく三味線の名手でもあるお園(玉三郎)は、ここ岩亀楼の名物芸者。面倒見のいいお園は、病に伏せっている同僚の遊女亀遊(七之助)を見舞いに行き、亀遊と、医者を目指す通辞の藤吉(獅童)との仲に気づきます。
 その翌年。岩亀楼に登楼したアメリカ人イルウス(彌十郎)は、唐人口の遊女マリア(福助)を気に入らず、病み上がりの亀遊に一目惚れして、藤吉に身請け話の通訳をさせます。金に目の眩んだ岩亀楼の主人(勘三郎)が身請けを承知すると、藤吉との恋に絶望した亀遊はその場を飛び出し、自害してしまいます。
 その75日後。亀遊の死を、〝万金を積まれてもアメリカ人への身請けを断り自害した攘夷女郎〟と事実を歪曲して伝える瓦版が出回ります。「露をだにいとふ倭の女郎花ふるあめりかに袖はぬらさじ」というウソの辞世の句まで添えられている周到さは、攘夷派志士を煽るためのねつ造に違いありません。が、この瓦版のお蔭で評判になった岩亀楼では、商売促進に励む主人はもとより、亀遊の死の真実を知るお園までもが、ウソで塗り固められた「亀遊物語」の語り部となってゆきます…。
 玉三郎の当たり役のお園に、一座勢揃いの顔ぶれによる注目の舞台。今回は初の歌舞伎座での上演です。

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