みどころ


歌舞伎座

歌舞伎座さよなら公演

二月大歌舞伎

十七代目中村勘三郎二十三回忌追善

平成22年2月1日(月)~25日(木)


昼の部

一、爪王(つめおう)

 雪の降るある日、鷹匠(彌十郎)は訪ねてきた庄屋(錦之助)から、悪い狐(勘太郎)を退治するよう頼まれます。鷹匠は吹雪と名付けた鷹(七之助)を連れて山へ赴き、吹雪を放ちますが狐に敗れてしまいます。春が訪れ、鷹匠は吹雪に獲物を恐れる鷹は王者では無いと言い、吹雪は再び大空へ舞い上がり狐に挑みますが......。
 動物小説の作家として知られる戸川幸夫作、平岩弓枝脚色で十七代目勘三郎も鷹匠を演じた舞踊劇にご期待下さい。


二、平家女護島

  俊寛(しゅんかん)

 絶海の孤島、鬼界ケ島に流罪となった俊寛僧都(勘三郎)、平判官康頼(扇雀)、丹波少将成経(勘太郎)は、流人の生活に疲れ果てています。そんな俊寛達を喜ばせたのは、成経が島の海女の千鳥(七之助)と夫婦になったこと。一同は二人の祝言を始め、日頃の憂さを忘れるのでした。
 ここへ都からの赦免船が到着し、上使の瀬尾兼康(左團次)が康頼と成経の赦免を告げます。俊寛は自らの名がないことに落胆しますが、もう一人の上使、丹左衛門(梅玉)から赦免が告げられ、晴れて揃って乗船へ。しかし、瀬尾は千鳥の同道を許さず、俊寛に妻の東屋を清盛の命に背いたために自らが斬った事を告げます。悲嘆に暮れる千鳥を船に乗せてほしいと俊寛は瀬尾に頼みますが許されないため刀を奪って瀬尾を斬り捨てます。その咎で再び流人となった俊寛は、自分の代わりに千鳥を船に乗せ、遠ざかって行く船を独り見送るのでした。
 十七代目勘三郎が最後の舞台でも演じた所縁の役を当代勘三郎が勤めます。


三、十七代目中村勘三郎二十三回忌追善 口上(こうじょう)

 戦後の歌舞伎を代表する名優の一人で、立役、女方を問わず幅広い役を演じた十七代目勘三郎を偲び、芝翫勘三郎をはじめ、故人所縁の幹部俳優が追善口上を述べる一幕です。


四、ぢいさんばあさん

 江戸番町、美濃部伊織(仁左衛門)と妻るん(玉三郎)は、評判のおしどり夫婦。ところが、伊織は喧嘩で負傷したるんの弟、宮重久右衛門(翫雀)に代わり、京で一年間、二条城在番を勤めなければならなくなります。伊織とるんは庭の桜を眺めて名残を惜しみ、翌年の桜時の再会を誓うのでした。
 それから三ヶ月後の京、伊織が同役の友人ら(秀調、右之助、市蔵、桂三)を招いて、買い求めた古刀のお披露目の宴を催していると、酒に酔った同輩の下嶋甚右衛門(勘三郎)が現れます。実は、古刀を買い求める代金が足りず、下嶋に金を借りたのですが、伊織は下嶋を宴に招いていなかったのでした。それを恨んだ下嶋は伊織を罵倒しはじめ、じっと耐えていた伊織でしたが、足蹴にされて遂に斬りつけます。下嶋は階下に落ち、命を落としてしまいます。
 それから三十七年が経ちました。伊織は犯した罪の為にるんと離れ離れになっていましたが、ようやく赦されます。久右衛門の子息、宮重久弥(橋之助)とその妻のきく(孝太郎)の配慮もあって、伊織とるんは番町の旧宅で再会することとなり......。夫婦の情愛が感動的な名作です。



夜の部

一、壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)

 大和国壺坂の麓。盲目の座頭沢市(三津五郎)と、器量良しと評判の女房のお里(福助)は貧しいながらも仲睦まじく暮らしています。しかし、沢市は、夫婦になって以来、毎夜お里が出かけていくのが気掛りで、貞節を疑っています。ある日思い切って沢市が問いただすと、お里は夫の目が明くよう、壺坂寺の観音様へ毎日通っていたと語ります。観音様でも治せないと愚痴を言う沢市を説き伏せ、二人は壺坂寺へと向かいます。壺坂寺で観音様に祈る二人でしたが、目は明かず、愚痴をこぼす沢市。一人で願を掛けるといってお里を家に帰した沢市は、これ以上、お里に迷惑をかけたくないと谷底へ身を投げます。そこへ、沢市を案じ戻って来たお里は、沢市の後を追って自身も身を投げますが、観世音(玉太郎)が現れ......。
 貧しくとも純真な夫婦の愛情を描く一幕をお楽しみください。


二、高坏(たかつき)

 次郎冠者(勘三郎)は、主人の大名某(彌十郎)と太郎冠者(亀蔵)と共に花見に出かけます。大名は次郎冠者に盃を載せる高坏を買うよう命じ、太郎冠者と立ち去ります。ところが、次郎冠者は高足売(橋之助)の口車に乗せられて高足を高坏と思い込んで買ってしまい、大名の酒を二人で飲んで酔い潰れる始末。高足売が去り、大名達が戻ってくると、次郎冠者は高足を高坏だと言い張って高足を履いて踊るのでした。戦後、十七代目勘三郎が復活した軽妙洒脱な舞踊をお楽しみ下さい。


三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)

 上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門(勘三郎)は下男の治六(勘太郎)と共に桜の咲き誇る吉原仲之町へやってきます。白倉屋万八(家橘)に安く遊ばせると騙された二人は、立花屋長兵衛(我當)に助けられて帰ろうとしますが、次郎左衛門は兵庫屋八ツ橋(玉三郎)の花魁道中を見て魂を奪われます。
 八ツ橋の元へと通うようになった次郎左衛門。八ツ橋の親代わりである釣鐘権八(彌十郎)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(秀太郎)を通して度々金策を頼みます。しかし、ついにおきつに金策を断られると、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(仁左衛門)を焚き付けます。そして、栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。一方何も知らない次郎左衛門は八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(市蔵)、丈助(亀蔵)と吉原へやってきて、兵庫屋の花魁の九重(魁春)、七越(七之助)、初菊(鶴松)らを座敷に呼んで楽しく八ツ橋が来るのを待っています。そこへ現れた八ツ橋に突然、愛想づかしをされた次郎左衛門は万座で恥をかかされ、うちひしがれて宿へと帰っていきますが、四ヶ月後再び吉原に現れ......。
 十七代目勘三郎の当り役を当代勘三郎が勤める注目の舞台です。

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平成二十二年度

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