みどころ


歌舞伎座

歌舞伎座さよなら公演

御名残四月大歌舞伎

平成22年4月2日(金)~28日(水)


第一部

一、御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)

 霊鳥鳳凰が晴海ヶ浜に舞い降りる霊夢を見たという頼朝公の命により、木挽町に八幡社が勧請され、新たに舞台造営の柱立てが行われるという晩のこと。奉行を命じられた工藤祐経に、工藤を仇と狙う曽我十郎と五郎兄弟が、小林朝比奈、片貝姫、鬼王新左衛門、秩父庄司重忠、大磯の虎、小林舞鶴らとともに対面を果たします。更に、悪七兵衛景清、典侍の局が現れ、一同は源氏の白旗、重宝友切丸、絵面図を互いに探り合います。
 〝木挽〟とあるように歌舞伎座の御名残公演にちなんだ一幕をご覧いただきます。

  一谷嫩軍記

二、熊谷陣屋(くまがいじんや)

 熊谷直実が自らの陣屋へ戻ってくると、堤軍次と国元にいる筈の妻の相模が出迎えるので、熊谷は妻を叱り、一子小次郎の働きや平敦盛を討ちとったことを告げると、敦盛の母、藤の方が熊谷に斬りかかります。これを止めた熊谷は、敦盛の最期の様子を物語ります。
 そこへ源義経が亀井六郎、片岡八郎、伊勢三郎、駿河次郎を引き連れて敦盛の首実検にやって来ます。熊谷が敦盛の首を差し出すと、驚く藤の方と相模。義経は敦盛の首と言いますが、実は小次郎の首。義経は「一枝を伐らば一指を剪るべし」という制札に託して後白河法皇の落胤である敦盛を救うよう熊谷に命じていたのでした。ここへ梶原平次景高が現れ義経が敦盛を救った事を頼朝へ言上すると駆け出しますが、石屋の弥陀六が石鑿を投げ、梶原は絶命します。弥陀六が平宗清であると見抜いた義経は、救った敦盛を預けます。そして義経の前に進み出た熊谷が兜を脱ぐと...。
 義太夫狂言の名作をお楽しみ頂きます。

三、連獅子(れんじし)

 清涼山の麓にある石橋で、三人の狂言師が、石橋の謂れや、獅子が仔獅子を千尋の谷へ突き落す様子を踊って見せます。やがて時宗の僧遍念と法華の僧蓮念がやって来て宗論を始めますが、獅子の出現の気配を感じ、ふたりは山を下りていきます。程なく親獅子と仔獅子の精が現れ獅子の狂いを見せて、めでたく舞い納めるのでした。
 お馴染みの人気舞踊を上演いたします。


第二部

  菅原伝授手習鑑

一、寺子屋(てらこや)

 寺子屋を開く武部源蔵は、匿っている菅丞相の嫡子菅秀才を救うため、寺子をその身替りにすることを思いつきますが、与太郎をはじめ、どの子も山家育ちばかり。そんな中、今日寺入りしてきた小太郎は品もあって身替りにふさわしく、源蔵は妻の戸浪に、その決意を明かします。まもなく松王丸と春藤玄蕃が現れ、源蔵は小太郎の首を差し出しますが、首実検役の松王丸はその首を菅秀才の首と認めます。
 やがて小太郎の母の千代がわが子を迎えに来たので、源蔵が千代に斬りかかると、千代は小太郎が身替りの役に立ったかと尋ねます。源蔵が驚くところへ松王丸が再び現れ、実は小太郎は松王丸と千代の子で、松王丸は菅丞相の恩に報いるために、我が子を身替りとするべく源蔵のもとへ差し向けたことが明らかとなります。更に松王丸は、匿っていた丞相の御台、園生の前を招き入れ、一同は小太郎の冥福を祈るのでした。
 重厚な義太夫狂言の名場面をお楽しみ頂きます。

二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

 節分の夜更け、大川端庚申塚でのこと。夜鷹のおとせに美しい娘姿の盗賊、お嬢吉三が近づき、おとせの懐から百両を奪い取ったうえ、大川へ突き落とします。一方、これを見ていたお坊吉三は、お嬢からその百両を巻き上げようとして、ふたりは争い始めます。しかしそこへ通りかかった和尚吉三が、ふたりを仲裁します。ふたりは百両を和尚に預けることとし、今日の出会いをきっかけに、三人の吉三は義兄弟の契りを交わすのでした。
 七五調の名台詞もおなじみの黙阿弥の名作をお楽しみ下さい。

三、藤娘(ふじむすめ)

 松の大木のもとに、塗笠をかぶり藤の枝を手にした愛らしい娘姿の藤の精が現れ、男心のつれなさを名所近江八景によそえて踊ります。そして娘の恋を艶やかに踊り、松を好きな男にみたてて差しつ差されつ盃を交わすうち、ほろ酔いの姿を見せます。続いて気分を変えるように賑やかな手踊りとなりますが、やがて日も暮れ、いつしかその姿を消すのでした。
 華やかで可憐な舞踊をご堪能頂きます。


第三部

一、実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)

 奥州伊達家では、お家乗っ取りを企む江戸家老の原田甲斐一味が、幼い藩主の亀千代の命を狙っているため、伊達の一門、伊達安芸が一味の反逆をくいとめようと闘っています。安芸の娘である乳人浅岡も父と心を合わせ、忠臣松前鉄之助とともに亀千代を日夜守護しています。
 ある日、御殿に籠りきりの亀千代を、局の沢田、錦木、呉竹、松島らが慰めるところ、家老片倉小十郎が、甲斐一味の連判状を持参して出府します。一味の悪事の証拠が手に入って喜ぶ浅岡に、小十郎は国元から連れてきた子をお目見得させたいと申し出ます。この子こそ、離れ離れに暮らしてきた浅岡の実子の千代松。わが子に会いたさにちぢに乱れる浅岡でしたが、主君への奉公が第一と、会わずに帰そうとします。ところが亀千代の命で召し出された千代松。浅岡はお家の危機を語り、お家安泰となった時には親子と名乗ろうと話すと、千代松もそれを受け入れるのでした。
 〝子別れ〟の代表的な一幕をお楽しみください。

  歌舞伎十八番の内

二、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)

 新吉原の三浦屋の格子先に、花魁の揚巻や白玉が居並ぶ中、髭の意休が揚巻を口説きます。しかし助六という間夫がいる揚巻は、意休に悪態をついて見世の中へと去ってしまいます。ここへ助六がやって来て、意休に喧嘩をしかけます。やがて意休の子分くわんぺら門兵衛が、福山かつぎ寿吉に言い掛かりをつけるので、助六は門兵衛やその弟分の朝顔仙平を懲らしめて意休を挑発しますが、意休は我慢してその場を去ります。
 そこへ白酒売の新兵衛が通りかかり、助六を呼び止めます。実は助六は曽我五郎の世を忍ぶ姿で、新兵衛は兄の十郎。弟の行状を心配する十郎に対して、五郎は紛失した源氏の重宝友切丸の行方を訊ねるために喧嘩を売っていることを明かすと、共に通人里暁などに喧嘩を売ります。ここへ兄弟の母の曽我満江が現れ、二人を諭します。満江と入れ替わるように再び現れた意休が、ついに抜いた刀はまさしく友切丸。五郎は揚巻の助けで意休の帰りを待ち伏せすることとするのでした。
 歌舞伎十八番の、華やかな舞台をお楽しみください。

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