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第四十五回記念 吉例顔見世 仮名手本忠臣蔵

第四十五回記念

吉例顔見世

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

当公演は終了いたしました。

2009年10月1日(木)~25日(日)

昼の部 午前10時45分~
夜の部 午後4時15分~

劇場:御園座

料金(税込)

  • 一等席21,000円
  • 二等席13,000円
  • 三等席7,000円
  • 特別席23,000円

演目と配役

昼の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場

三段目 足利館門前進物の場


    同  松の間刃傷の場


四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場


    同  表門城明渡しの場

大星由良之助
顔世御前
塩冶判官
薬師寺次郎左衛門
足利直義
桃井若狭之助
大星力弥
加古川本蔵
矢間重太郎
富森助右衛門
赤垣源蔵
鷺坂伴内
原郷右衛門
高師直
石堂右馬之丞
團十郎

橋之助
彌十郎
進之介
愛之助

寿
男女蔵

由次郎


左團次

浄瑠璃 道行旅路の花聟

早野勘平
鷺坂伴内
腰元お軽
仁左衛門

孝太郎

夜の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵

五段目 山崎街道鉄砲渡しの場

    同   二つ玉の場


六段目 与市兵衛内勘平腹切の場

早野勘平
女房お軽
斧定九郎
母おかや
百姓与市兵衛
千崎弥五郎
一文字屋お才
不破数右衛門
仁左衛門
孝太郎
愛之助
竹三郎
寿
彌十郎
秀太郎
左團次

七段目  祇園一力茶屋の場

十一段目 高家表門討入りの場


     同 奥庭泉水の場


     同 炭部屋本懐の場

大星由良之助
寺岡平右衛門
竹森喜多八
鷺坂伴内
大星力弥
矢間重太郎
富森助右衛門
赤垣源蔵
原郷右衛門
小林平八郎
遊女お軽
團十郎
橋之助
愛之助


男女蔵

由次郎

彌十郎

みどころ

昼の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵
【大序】

 鎌倉の鶴ヶ岡八幡宮。足利直義(進之介)は討死した新田義貞の兜の鑑定役に、塩冶判官の妻顔世御前(福助)を呼び寄せます。以前から美貌の顔世に懸想していた足利家の執権高師直(左團次)が言い寄ると、見かねた桃井若狭之助(愛之助)が助けに入ります。気分を害した師直は、若狭之助を散々に侮辱。煽られた若狭之助は思わず刀に手を掛けますが、塩冶判官(橋之助)が止めに入ります。
 開幕前の「口上人形」に始まり、人形のように頭をもたげた登場人物が、ひとりずつ顔を上げて命を吹き込まれていくといった儀式的演出は、『仮名手本忠臣蔵』ならではの見もの。荘重な雰囲気の中で生きた人間の情欲が起こす事件の発端に、顔見世ならではの顔ぶれが揃いました。

【三段目】

 師直への怒りが収まらない若狭之助を見て危険を感じた桃井家家老の加古川本蔵は、師直に賄賂を贈ります。すると師直の態度は一変し、今度はその怒りの矛先が塩冶判官に移ります。あまりの屈辱に耐えかねた判官は、ついに師直を斬りつけるものの、すぐに本蔵に抱き留められ、浅傷を負わせたに止まります。
 判官の怒りを顕わにしていく心理描写も見どころの一つです。

【四段目】

 蟄居を命じられた判官のともに、上使の石堂右馬之丞(我當)と薬師寺次郎左衛門(彌十郎)が訪れ、判官の切腹と御家断絶、所領没収という上意を伝えます。塩冶家の家臣原郷右衛門や家老である由良之助の嫡男力弥に見守られ、判官が腹に刀を突き立てると、やっと待ちに待った大星由良之助(團十郎)が到着。主従は多くを語らず、目と目で心の内を確認し合います。葬送の後、即敵討ちを主張する家中の者たちを抑え、金の配分だけを求める斧九太夫を見送ると、由良之助は自らの決意を示し、城を明け渡します。
 なかなか現れない由良之助を待つ判官切腹の場の緊張感と、二人の男の固い誓い。遠ざかる城門を背に、決意と孤独で万感迫る由良之助の姿と共に緊迫感溢れる屈指の名場面が続きます。

【道行旅路の花聟】

 恋人のお軽(孝太郎)との逢瀬を楽しんでいて、御家の一大事に駆けつけられなかった早野勘平(仁左衛門)。お軽は死んで詫びようとする勘平を必死に引き留め、実家の山城国山崎へと誘います。
 桜と菜の花に彩られた美しい風景の中、道化役の師直の家来鷺坂伴内も絡んで、仁左衛門、孝太郎父子による道行が展開します。

夜の部

通し狂言 仮名手本忠臣蔵
【五段目】

 猟師となった勘平(仁左衛門)は、山崎街道で塩冶家の同僚だった千崎弥五郎(彌十郎)と出会い、仇討ち資金の調達を約束します。一方、お軽の父の与市兵衛は、祇園にお軽を身売りすることでその資金を獲得。前金五十両を懐に家路を急ぎますが、斧九太夫の息子の定九郎(愛之助)に襲われ、金も命も奪われます。しかし定九郎は、勘平が猪を狙って放った銃弾であえなく絶命。勘平はその死体の懐から五十両を抜き取ります。
 ふとしたことから起こる、錯誤の悲劇の始まり。不気味な色悪の粋を見せる定九郎と、銃殺に強盗と、思わぬ罪を重ねてしまう勘平。揺れ動く勘平の心象を表現する、巧みな演出が見ものです。

【六段目】

 お軽(孝太郎)を引き取りに来た祇園の一文字屋お才(秀太郎)との話から、勘平は自分が与市兵衛を殺害したものと早とちり。動揺しつつお軽を送り出すと、姑のおかやや来訪した千崎と不破数右衛門(左團次)に問いつめられ、罪を吐露して切腹します。
 緻密な劇構造のもと、「色にふけったばかりに」など名せりふと美しい型の数々で、その悲哀を描きます。

【七段目】

 大星由良之助(團十郎)は祇園で遊興に明け暮れているかに見えますが、力弥が顔世御前からの密書を届けに来ると、顔つきが変わります。由良之助がその書状を読んでいると、二階から遊女となったお軽(福助)、床下から裏切り者の斧九太夫が、同時に盗み読み。内容を知られたからには生かしておけません。かつて塩冶家の足軽でお軽の兄である寺岡平右衛門(橋之助)は、由良之助がお軽を身請けしたうえ殺そうとしているのを察し、自分が代わりに妹を手にかけようとします。すでに勘平が死んだことを知ったお軽は兄に従おうとしますが、由良之助が止めに入り、お軽に床下の九太夫を刺させて勘平の仇を討たせ、平右衛門を仇討ちの連判に加えます。
 由良之助は酔態のうちに、臣下の焦燥感を募らせたり、真意を試す九太夫をまんまと欺いたりしながら、時に本性を垣間見せる大役です。京都祇園町を舞台に華やかな場面で展開いたします。

【十一段目】

 十二月十四日。揃いの火事装束に身を包んだ塩冶の浪士たちは、大星由良之助(團十郎)率いる表門組、力弥の裏門組に分かれて高家に討ち入り、ついに本懐を遂げます。
 剣豪小林平八郎(彌十郎)と竹森喜多八(愛之助)のリアルな立ち廻りや、勝ちどきを上げる浪士達の姿など、爽快感に満ちた幕切れを迎えます。

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