新橋演舞場
新橋演舞場 花形歌舞伎
平成21年11月1日(日)~25日(水)
昼の部
一、通し狂言
盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
浪人の薩摩源五兵衛は芸者の小万に執心ですが、小万には笹野屋三五郎という夫がいます。源五兵衛は塩冶家の浪士で、伯父富森助右衛門が調達した百両を三五郎の罠により騙し取られます。怒る源五兵衛は三五郎の仲間の五人を惨殺しますが、三五郎夫婦を取り逃がします。実は三五郎夫婦が源五兵衛から百両を巻き上げたのは、父親の旧主の危急を救うためでした。やがて源五兵衛が三五郎夫婦の家へ姿を現すと、その源五兵衛こそが...。四世鶴屋南北の人気作であり、『忠臣蔵』と『五大力』の世界を〝綯い交ぜ〟という手法で結びつけています。「五人切」の凄惨な殺し場、小万の首を前に源五兵衛が食事をする不気味な場面など南北ならではの世界が展開されます。源五兵衛を染五郎、三五郎を菊之助、小万を亀治郎とそれぞれが初役で取り組み、八右衛門を愛之助が勤める注目の舞台をお楽しみ頂きます。
二、四変化弥生の花浅草祭(やよいのはなあさくさまつり)
江戸時代には弥生三月に行われていたといわれる三社祭。その祭礼の山車人形に魂が入って踊る構成の変化舞踊です。歴史上の英雄である「神功皇后と武内宿禰」の戦物語、宮戸川から浅草観音を拾い上げた漁師に善玉と悪玉が取りつく「三社祭」、通人と国侍のほろ酔いでのやりとりが楽しい「通人・野暮大尽」、雪に包まれた清涼山に勇壮な獅子の精が現れる「石橋」と、異なる役柄を次々と踊っていきます。松緑と愛之助が初めてコンビを組み、イキのあった躍動感溢れる踊りをお目にかけます。
夜の部 
一、通し狂言
三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
娘姿の盗賊お嬢吉三は、夜鷹おとせから百両を奪い大川へ突き落とします。通りかかったお坊吉三が百両を横取りしようと争うところへ和尚吉三が現れ、二人を仲裁し、三人は義兄弟の契りを交わします。助けられたおとせは昨夜契りを交わした十三郎と再会します。実は十三郎とおとせは双子の兄妹でした。和尚は大川端で手に入れた百両を父の伝吉へ届けますが、巡り巡ってお坊の手へ渡ります。お坊は、その百両を取り返そうとする伝吉を斬殺します。やがて追手のかかったお嬢とお坊は、吉祥院へ逃れますが...。河竹黙阿弥の白浪(盗賊)物の名作を、お嬢吉三に菊之助、和尚吉三に松緑、お坊吉三に愛之助という充実の配役に加え、土左衛門伝吉の歌六が舞台を引き締めます。 「月も朧に白魚の篝も霞む春の空...」など名調子のセリフに彩られた、刀と百両が人の手から手へ巡る因果物語をご高覧頂きます。
二、鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)
平維茂が従者とともに信濃国戸隠山を通りかかると、更科の前という姫君から酒宴に招かれ、盃を重ねるうちにまどろんでしまいます。この様子を窺っていた姫は、戸隠山の鬼女の本性を現し豹変。男山八幡の神女である八百媛の威徳により目を覚ました維茂は、鬼女達を退治するために山奥に分け入っていきます。美しい姫がのちに猛々しい鬼女となる変化に富んだ構成で、侍女たちも鬼となります。今回は市川猿之助の演出のもと、更科の前実は戸隠山の鬼女を亀治郎が初めて勤め、平維茂に松緑、八百媛に菊之助という配役で勢い溢れる舞踊劇をお楽しみいただきます。




