みどころ



新橋演舞場

七月大歌舞伎

平成22年7月2日(金)~26日(月)


昼の部

一、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)

 越後の純朴な商人縮屋新助が想いを寄せるのは、深川きっての芸者美代吉。旗本の藤岡慶十郎という旦那がいるにもかかわらず、遊び人の船頭三次を情夫にもつ奔放な女。美代吉は借金を抱えており、祭仕度の百両が用意できません。そこで、新助は美代吉のために、故郷の家や田畑を売り百両を工面してきます。ところが藤岡から手切れの百両が届いた美代吉は、新助につれない態度。だまされたと知った新助は、深川八幡の祭礼の夜に......。
 池田大伍が河竹黙阿弥の『八幡祭小望月賑』を、近代的な視点で書き換えた新歌舞伎の名作をご覧下さい。

二、六歌仙容彩

  文屋(ぶんや)

 色好みの文屋康秀は、小町を求めて御殿に忍びますが、官女たちに阻まれて叶わず、その様子を洒脱に踊ります。
 「古今和歌集」から小野小町と、小町をとりまく五人の歌人を描く『六歌仙容彩』の中の一景。江戸の風俗を織り込んだ清元舞踊をお楽しみ下さい。

三、祇園祭礼信仰記

  金閣寺(きんかくじ)

 謀反を企む松永大膳は、将軍足利義輝を殺害し、その母親の慶寿院を金閣寺の二階に幽閉しています。共に幽閉している雪姫に思いを寄せる大膳は、夫狩野之介直信に代わって金閣の天井に龍を描くように迫ります。そこへ此下東吉が現れ、大膳の家臣になりたいと申し出ます。一方、手本がなければ龍を描くことができないと断る雪姫。大膳は、雪姫を桜の木に縛りつけると、直信の処刑を命じます。悲嘆にくれる雪姫が、降りしきる桜の花びらをかき集め、足で鼠を描くと......。
 全五段の浄瑠璃『祇園祭礼信仰記』の四段目にあたる一幕。豪華絢爛な時代物の名作をお楽しみ下さい。


夜の部

一、歌舞伎十八番の内

  (しばらく)

 鶴ヶ岡八幡の社頭。巨悪清原武衡は、天下を狙おうと画策。加茂次郎はじめ善人方はその傲慢な振る舞いを糺そうとしますが、武衡は次郎たちの首を刎ねるよう命じます。その時、「暫く、暫く」と呼びとめる声と共に鎌倉権五郎が駆け付け、武衡の悪事を暴きます。
 歌舞伎十八番の一つで、荒事の代表作。歌舞伎の様式美に富んだ舞台をお楽しみ下さい。

二、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)

  土佐将監閑居の場
 絵師土佐将監の弟子又平は、師の閑居を妻おとくと訪れ、土佐の名字を許してほしいと願い出ます。言葉が不自由な又平に代わって、おとくが切に訴えますが、絵から抜け出た虎を描き消して見せた弟弟子の修理之助や、主君のお家の大事に馳せ参じる雅楽之助のような功績もない又平は門前払い。悲嘆に暮れた夫婦は、死を決意します。又平は今世の名残りに手水鉢に自画像を描きます。すると、その絵は石を貫き、手水鉢の裏側に抜ける奇跡が起こります。
 近松門左衛門が描いた、夫婦の慈愛溢れる名作をご覧下さい。

三、馬盗人(うまぬすびと)

 峠の道。馬を曳いて千鳥足でやってきた百姓の六兵衛は、馬を木に繋ぐと清水を飲みに崖を下っていきます。六兵衛を付け狙うならず者の悪太とすね三は、馬を盗もうと企みます。そこで悪太は、繋がれていた馬の荒縄を自分の首にかけ、すね三に馬を麓まで曳かせていきます。戻った六兵衛は、馬が人間に化けたと、びっくり仰天し......。
 昭和三十一年に初演され、平成八年に新しい振付で復活されました。馬が大活躍するお伽噺らしいおおらかな舞踊劇をお楽しみ下さい。

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