染五郎 京都南座『擽-ティックルズ-』で意気込み

染五郎 京都南座『擽-ティックルズ-』で意気込み

 8月7日(金)京都南座では『市川染五郎傾奇おどり 擽-ティックルズ-』が上演されます。『魑魅魍魎的』『麻布十番ん』『不二才』に続く待望の新作舞踊第四弾の公演を前に、市川染五郎が意気込みを語りました。

 今回はミイラの役。ミイラが蘇って何か企み事をしようとして・・・というお話です。こうしよう、ああしようと考えすぎて、結局嫌になって戻っていくというストーリー展開で、衣裳はマイケル・ジャクソンさんの"スリラー"のように、いわゆるボロをまとったものにしようと思っています(笑)

 この世に未練のあったミイラが「蘇ったら何をしよう」と妄想にふけったり、夢を見たりするのですが、実はそうして考えている時間が幸せな時間で、" 夢は実現しないと意味がない"なんて固く考えず、"妄想"として見る夢は面白いのでは・・・というのが今回のテーマです。タイトルを"擽"(くすぐる)としましたが、擽ると人は笑うけれど、それは感情からの笑いではなくて、言ってみれば嘘の笑い。でも擽られてでもいいから笑いがあれば幸せなのでは、というメッセージを込めています。

 尾上紫さん、尾上青楓さんと三人で、前作までと同じように舞台上で弾け、馬鹿馬鹿しい事を堂々と踊りまくり動きまくります(笑)。1回公演ですから、戸惑っている事もできません。そういう意味では、この公演自体が妄想のような感じでさえあります。踊りから何かを判ろうというよりも、1回だけの舞台を皆で楽しんで、見て何かを感じていただければ嬉しいと思っています。

公演情報はこちらをご覧ください。

2009/08/04