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仁左衛門が大鹿歌舞伎を観劇

長野県大鹿村で江戸時代から受け継がれている「大鹿歌舞伎」の春の定期公演が5月3日(木・祝)に行われ、片岡仁左衛門が観劇に訪れました。仁左衛門は前日の2日(水)、映画『Beauty』の撮影のために大鹿村を初めて訪れ、翌3日昼からの公演を観劇しました。
公演に先だち、仁左衛門が舞台前で挨拶に立つと、会場からは「松嶋屋!」と声が飛びました。仁左衛門は、大鹿歌舞伎を愛した父・十三世片岡仁左衛門の話を紹介しながら、次のように挨拶を述べました。
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片岡仁左衛門―――
歴史・伝統というものは一度途絶えますとなかなか復活が難しいものです。この歌舞伎を皆さんの力で受け継いできたということは、本当にすばらしいことです。演者もさることながら、見てくださる皆さんがいらっしゃらないと続くものではございません。どうかこれからも、若い世代からまた次の世代へと、大鹿歌舞伎が受け継がれ、ずっと愛してくださるように、皆様もご協力をお願いいたします。
これだけ長い間受け継がれてきたものには、時代が変わっても今の人間に通づるものがあると思います。それを今日は皆さんと一緒に味わって楽しみたいと思います。
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この日上演された演目は『義経腰越状 泉三郎館の段』と『六千両後日之文章 重忠館の段』の2本。『六千両~』は大鹿村独自の歌舞伎です。

▲ 『六千両後日之文章』 舞台上には客席から投げ入れられた“おひねり”が
観劇した仁左衛門は、
「節(ふし)が独特でした。この土地が生んだ“味”なのでしょう。大事にしていただきたいですね。役者の方々も、他に仕事を持ちながら続けていらっしゃるというのは大変な努力だと思います。その精神を、次の世代に伝えてほしい」 と感想を語りました。
この日は全国からおよそ1,500人の観客が訪れ、会場となった大磧神社境内は熱気に包まれました。
大鹿歌舞伎の秋の公演は10月に行われます。

▲ 会場で着物姿の売り子さんが売っている豆冊子は一冊100円 出演者のプロフィールや演目の解説も。