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坂東玉三郎 中国・昆劇 合同公演

料金(税込)

  • 1等席14,000円

演目と配役

一、 楊貴妃(ようきひ)


二、 牡丹亭(ぼたんてい)
[出演
坂東 玉三郎

みどころ

 昆劇は約六百年ほど前に生まれ、明朝から清朝にかけての二百年あまりにわたり、劇壇の王座を占めてきました。中でも、数奇な恋愛を描いた湯顕祖作の全55幕の大作『牡丹亭』は、昆劇の最高傑作とされています。

 その名作に坂東玉三郎が特別出演。これは演劇界史上初の日中合同公演となります。玉三郎と中国古典芸能の出会い。2008年に新たな玉三郎の伝説が誕生します。

一、 楊貴妃(ようきひ)

 「楊貴妃」は言うまでもなく中国を代表する美女の名です。時は八世紀前半。唐の皇帝だった玄宗は名君でしたが、楊家の娘、すなわち楊貴妃を後宮に迎えてから、彼女を熱愛するあまり政治がおろそかになっていきました。楊貴妃に対する帝の寵愛をよいことに、権勢をふるう楊一族への反発もあって、やがて地方豪族が反乱を起こします。玄宗はついに反乱軍の要求をのみ、涙ながらに楊貴妃の命を絶つのでした。

 玄宗と楊貴妃の悲恋物語は、のちに白楽天が漢の時代に置きかえて、長編詩『長恨歌』に美しくつづりましたが、この詩の後半には、幻想的な後日譚が創作されています。

 玉三郎の『楊貴妃』は、現代の創作舞踊で、扮装は京劇の形を応用し、振付・演出には京劇、能、歌舞伎舞踊などの技法を融合させた新しい踊りの形が生み出されました。初演以後も練り上げられ、いまや玉三郎ならではの魅力にあふれた財産演目になっています。

二、 牡丹亭(ぼたんてい)

 ゆるやかに流れる水のように優美な歌声としなやかな舞い、そして笛の音。2001年にユネスコ世界文化遺産に認定された中国江南地方の芳しい文化の粋・昆劇は、能とほぼ同じおよそ六百年ほど前に生まれ、明朝から清朝にかけての二百年あまりにわたり、劇壇の王座を占めてきました。その後に流行した京劇の、力強く明快な色彩とは異なり、豊潤で繊細な江南の風土に育まれ、貴族や文人好みの優雅で洗練された味わいが特徴です。陶然と歌いながら舞うその演技術には、細部にまで極められた厳しい要求があって、深くきめ細やかな表現に長けています。

 梅蘭芳ら名優たちも昆劇を学び、ほとんどの地方劇に計り知れない影響を与えました。また劇作家が筆を尽くして創作した脚本は文学性が高く、理想的な才子佳人・杜麗娘と柳夢梅の甘美で数奇な恋愛を描いた明の湯顕祖作の全55幕の大作『牡丹亭』は、昆劇の最高傑作とされます。昆劇の詩(言葉)・歌(音楽)・舞(演技)の美の極致の中に再び生まれる、作者と演者と観客たちとが愛してきたこの「情」と「命の輝き」こそ、『牡丹亭』の魂です。今回演じられる「遊園・驚夢・堆花・写真・離魂」は、よく上演される前半の名場面で、百花咲き乱れる春の庭での幻想的な夢の恋の歓喜と、一転、日に日に命を削りついには儚く世を去る麗娘の哀れが、沁み入るような調べとともに胸を打ちます。

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