海老蔵「初春花形歌舞伎」記者会見
平成20年の年頭を飾る新橋演舞場1月公演「
初春花形歌舞伎」は通し狂言『雷神不動北山櫻』の上演です。
歌舞伎十八番に数えられる『毛抜』『鳴神』『不動』の三作品は、もとはこの『雷神不動北山櫻』の一幕として上演されていたもの。今回、市川海老蔵が、原作を始め、過去の上演資料などを参考に、新たな構想と脚本の元、粂寺弾正・鳴神上人・不動明王・早雲王子・安倍清行の五役を演じます。
さらに『不動』では、お客様をあっと驚かせる幻想的な“空中浮遊”を披露します。話題の公演を前に、市川海老蔵が記者会見を行い、意気込みを語りました。
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市川海老蔵―――
この度、お正月の新橋演舞場で『雷神不動北山櫻』を勤めさせていただきます。
これは二代目市川團十郎が作った演目で、今年はその二代目團十郎の生誕320年、没後250年という区切りの年でもあり、また、成田屋にとってご縁のある成田山新勝寺が開基1070年という記念の年でもあります。
叔父の二代目尾上松緑また、父團十郎もこの演目で、粂寺弾正・鳴神上人・不動明王の三役を勤めましたが、今回私は、さらに早雲王子・安倍清行を加えて五役を勤めさせていただきます。この大変大忙しとなる狂言、現在スタッフとともにプランを一生懸命考えております。
特に『不動』では“空中浮遊”に挑戦します。今まで宙乗りの場合に見えていたワイヤーを一切無くし、空を飛んでみようじゃないか・・・今はまだ試行錯誤中ですが、みんなで打ち合わせをしているところです。どういう出来になるか非常に不安ですが、皆様方のお力をいただき、成功させるようにがんばりたいと思いっています。

空中浮遊について―――
海老蔵―――
ラスベガスのイリュージョンデザイナーの方に教えていただいています。
昔の錦絵のなかに、不動明王が空中をさまよっているようなものがあって、それをヒントにしました。もしかすると、初代市川團十郎や、二代目團十郎がこのような技術を持っていれば、同じようになさったのではないかと思っています。こういう考え方は市川家の精神であると思うし間違ってはいないと思うんです。
『鳴神』や『毛抜』は、古典として磨き上げられているものですから、私ごときではそうそう変えてはいけないものです。もちろん『不動』もそうですが、この演目で最も重要なことは、いかに神々しく、いかに不動明王であるかということだと思っています。イリュージョンを利用してもそれが古典に見えるように、音楽にも大薩摩を使ったりと、工夫をこらした“空中浮遊”をお見せしたいと考えています。
松竹(株)安孫子専務―――
初代も二代目の團十郎も今の時代ならきっとなさったんじゃないか、その考えはとても大事なことだと思うんです。
例えば、明治になって照明が利用されるようになってからの『藤娘』。舞台の幕が空くと一面真っ暗、そして次の瞬間にパッと明かりがつく、歌舞伎では“チョンパ”と申しますが、このような演出は江戸時代ではまったく考えられなかったものです。ですが、照明が導入された事で今の歌舞伎では当たり前の演出の一つになっています。
そういう意味でも、恐れずに時代にあった工夫をすることは、単に目新しいさという事だけではなく、一つの歌舞伎の道ではないかと思っています。
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