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幸四郎 弁慶千回に向けて

(社)全国公立文化施設協会主催 西コース 松竹大歌舞伎」が8月31日埼玉県川口市の川口総合文化センター りりあホールで初日を迎えました。『勧進帳』で弁慶を勤める松本幸四郎が、2000人の観客の盛大な拍手に応え、飛び六方を終えたばかりの花道に再び登場する場面もあり、華やかな幕開けとなりました。

 この後「松本幸四郎特別公演 松竹大歌舞伎」、そして「『勧進帳』千回東大寺奉納大歌舞伎」の記念公演へ向けて動き出した松本幸四郎が公演への思いを語りました。

松本幸四郎 いつもの初日とはまた違い、1000回に向けての巡業が始まったという感慨でいっぱいです。

 16歳で初めて弁慶を演じてから50年、半世紀の間弁慶を演じ続けたられたことはまさに夢のようです。初めて弁慶を勤めさせていただいたのが、歌舞伎座の「子供歌舞伎教室」。その公演を見ていただいた同じ歳の方が、今日また観てくださっていたら、その方も66歳なんだなぁ・・・演じながらそんな思いが浮かんできました。

 今回、「公文協西コース」、そして「松本幸四郎特別公演」で23カ所の劇場にうかがいます。花道のない地方の劇場、歌舞伎座、1000回目の公演をおこなう東大寺、どこで勤めても変わらない芝居ができることが本物の役者だと思っています。

 上演1000回はあくまでも通過点ですが、多々心に思うことがあります。

 祖父七代目松本幸四郎は全国で『勧進帳』を上演し、今のような人気の演目に育ててまいりました。祖父は1600回以上弁慶を演じた文字通りの“弁慶役者”。戦地に向かう兵隊が祖父の『勧進帳』を観てモチベーションを上げてから出征したという逸話もあるような人です。その祖父の『勧進帳』をこれからも受け継いでいこうと強く思っています。

 そして、もう一つ。以前、沖縄の方から、「私の父はあなたの弁慶が大好きだったのですが、病に倒れ沖縄から出ることができません。是非父に見せたいので沖縄まで来てくださいませんか?」という手紙をいただいたことがあります。それを読み、望まれてその土地へ出向き歌舞伎を上演する、それも歌舞伎役者の使命であると改めて強く思うようになりました。

 人の心を動かす、人を感動させることはなかなかできることではありませんが、それを商売にしているのが役者です。役者にとってはそれが全てだと思っています。

関連情報はこちらをご覧下さい。

(社)全国公立文化施設協会主催 西コース 松竹大歌舞伎
松本幸四郎特別公演 松竹大歌舞伎
幸四郎『勧進帳』千回 東大寺奉納大歌舞伎

2008年09月02日

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