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日生劇場「十二月大歌舞伎」出演者が意気込みを語りました

日生劇場「十二月大歌舞伎」出演者が意気込みを語りました

 12月日生劇場で上演される「十二月大歌舞伎」。『摂州合邦辻』が序幕からの通し上演、平城遷都1300年記念の本年に因んだ『達陀』と、楽しみな二演目となっています。公演に先立ち、尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が意気込みを語りました。

尾上菊五郎
 歌舞伎公演で日生劇場に出演するのは初めての事です。この劇場には義太夫狂言の通しが良いのではと考えて『摂州合邦辻』の上演を決めました。一度通しで上演したいと思っていた演目です。さらに、今回は若手が中心となっていて、私は合邦を勤めますが、本格的な爺は初めてで、今は挑戦するような気持ちでございます。

 以前、玉手御前を勤めているので、合邦のセリフは大体耳に入っております。多分合邦をやっていると玉手をやりたくなるでしょうね(笑)。合邦はもとは侍で、娘を怒るけれどそこに父親としての愛情があります。可愛いがために娘のことが憎くなる、そうした気持ちの動き方が面白いのではないでしょうか。

 私自身もそうでしたが、玉手は40歳~50歳になってから手掛けるお役です。菊之助は今年5月大阪松竹座で、初役で勤めましたが、この若さで勤めたということは一つの成果だと思います。「十九(つづ)や二十」というセリフもあり、玉手はそんな歳だったなと改めて思い、逆にそれも面白いなと感じています。


中村時蔵
 『摂州合邦辻』の羽曳野と、『達陀』の青衣の女人を勤めさせていただきます。羽曳野は初役でございます。以前梅幸のおじ様が「合邦」の通しを上演された際、私は俊徳丸を勤めさせていただいた思い出がございます。今年の五月には、そのお孫さんにあたる菊之助さんが玉手を勤められたときにも、俊徳丸を勤めさせていただきました。お役が家の代々に伝わるという、とても有意義な公演に出演させていただき嬉しく思っています。

 『達陀』の青衣の女人は、以前、菊五郎さんが集慶をなさった際に勤めさせていただきました。今回は(二世)松緑のおじ様のお孫さんにあたる、当代の松緑さんの集慶で勤めさせていただきます。菊五郎兄さんと上演した時の事を思い出しながら、若い松緑さんと二人で舞台を作り上げていけたらなと思っております。

 日生劇場には30年程前に玉三郎さんの『天守物語』で2度程出演させていただいた事があります。その時とは雰囲気の違う演目の今回の公演を楽しみにしております。一所懸命勤め、お客様に喜んでいただける公演にしたいと思っています。


尾上松緑
 日生劇場には祖父・父の代からご縁があり、私も何度か出演させていただいた事がありますが、歌舞伎の公演での出演は今回が初めてです。先輩方の力をお借りして『摂州合邦辻』の入平と、祖父が作りました『達陀』の集慶という二役を勤めていきたいと思います。

 祖父の『達陀』を資料や映像で観ることはありますが、残念ながら生の舞台は観ておりません。菊五郎さんがなさった際には、堂童子や練行衆で出演させていただいたり、振りを付けさせていただいたりと、何らかの形でお芝居に関係させていただいており、その分印象を非常に強く持っております。青衣の女人との昔の恋の物語、そして練行衆との群舞の部分という2つのパートから組み立てられていますが、そのメリハリをきっちりと付けて、菊五郎さんにご指導をいただき、時蔵さんともご相談しながら、舞台を創り上げていきたいと思っています。

 一年の最後に東京で観るお芝居が、この公演になるという方も多いと思います。「今年も良い一年だった」と観てくださったお客様に言っていただけるように、そして一年を締めくることのできるような良い舞台になるように、一所懸命勤めて参りたいと思っています。


尾上菊之助
 今年5月、大阪松竹座の團菊祭で『摂州合邦辻』の玉手御前を勤めさせていただきました。まさか今の年齢で勤めさせていただけるとは思いもせず、本当にびっくりいたしましたが、皆様のお力を持ちまして1ヶ月を乗り切ることが出来ました。今回は通し狂言で勤めさせていただける、これも凄い挑戦、チャレンジをする場をいただいたと身が引き締まる思いがします。

 玉手御前には、色々な解釈の仕方があると思いますが、私は祖父や父の通り、俊徳丸に対する恋の思いを大切に演じております。俊徳丸に対する恋ゆえに毒を飲ませ、俊徳丸に血を飲ませて、俊徳丸の中で生き続ける。そうした俊徳丸に対する恋の思いを強く持って演じたいと思っています。

 継承と挑戦。それが12月のテーマでございます。父、そして祖父の当り役、玉手御前を、正しく型を写し継承するのが今の自分の勤めだと思っております。そして挑戦、5月に勤めさせていただいた玉手御前をより膨らませて、12月の日生劇場では5月大阪で観ていただいた方にも、より玉手御前を身近に強く感じていただけるように役を作っていきたいと思っています。

2010年11月04日

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