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種之助登場「歌舞伎夜話」、播磨屋の芸を兄とともに

種之助登場「歌舞伎夜話」、播磨屋の芸を兄とともに

 

 

 6月20日(月)、「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話(かぶきやわ)」に、中村種之助が登場して語りました。

 8月に兄、歌昇との勉強会「双蝶会」を控える種之助。2年目となる今年は『菅原伝授手習鑑』「車引」で梅王丸、「寺子屋」で武部源蔵を勤めます。キャラクターの異なる二役を「大変だと思います」と言う口調も、どこかうれしさを噛みしめた様子。公演準備の忙しさまでも、楽しみに変えているようです。

 

種之助登場「歌舞伎夜話」、播磨屋の芸を兄とともに

 歌昇の松王丸とにらみ合うポスターの写真は、「実際に、この距離まで顔を近づけて撮りました」。撮影時の収穫が、型を本番の衣裳でひととおり確認できたことだと語り、「元禄見得も梅王丸の格好でやると、型がピタッとはまるところは一つなんだとわかりました」。隈取についても「今までの人生で一番筋が多いですね。どうしたらよりきれいに見えるのか…」と、研究中のようです。

 

 すでに稽古も始まっており、「吉右衛門のおじさんに、梅王丸も源蔵も、ありがたくも出から一つひとつ教えていただいております」。稽古では、あるべき姿と現状との違いを細かく指摘されるそうで、「至らなさに打ちのめされますけれど、おじさんが目の前で実演してくださるのが本当に素敵なんです。『ああ、いつかこうなりたい…!』」と、格闘の日々。「おじさんと僕では体格も全然違う。でも、お役の肚(はら)は一つですので、精いっぱいやるだけです」と真摯に前を向きました。

 

種之助登場「歌舞伎夜話」、播磨屋の芸を兄とともに

 最近はますます、父の又五郎に似てきたと言われるようになったとか。「見た目が似ているからには、父が勤めた役は僕でも一所懸命考えれば勤まるんじゃないかと、謎の自信が湧いてきますね」。その一方で、「父に稽古をつけてもらうと、できてない僕の姿を父が真似て指摘してくれるのですが、うまいんですよ。そうやって指摘してもらえることも、ありがたい環境だと思います」。先輩方が「今の自分と同じ年頃の父」を知っていることも、常に意識していると語ります。

 

 近年、新しい役どころだったと挙げたのが、父と兄の襲名披露興行で勤めた『双蝶々曲輪日記』「角力場」の与五郎(平成26年7月「松竹大歌舞伎」)。「つっころばしのお役、迷いがありました。でも、背伸びせずにできる部分はあったと思います」。本興行での女方での芝居は意外にも『幻想神空海』の牡丹(平成28年4月歌舞伎座)が初めてだったそうですが、「愛嬌があっておしゃべり、ちょっと(『義経千本桜』「すし屋」の)お里を意識しました」とのこと。「吉右衛門のおじさんや父の姿をずっと見てきたので、憧れるお役は立役が多いですが、女方のお役も同じくらい好きです」。

 

 お客様からの「日本舞踊の稽古はどこでしますか?」という質問に、「電車の中でも車の中でもどこでもできます。一番進展するのは風呂場」と答えて驚かせます。「芝居のあと、湯船につかりながらさらう時間が、僕にとっては貴重。一番早く復習できる時間で、次へのヒントが見つかることも多いです」。

 

 そして兄への思いも。「兄の瞬発力、そして、自分を出し切ってぶつかっていくところは、僕にはない部分ですし、尊敬しています。タイプは少し違いますが、目指すべき道は一緒。僕一人ではどうしようもないことも、二人ならなんとかなると思っています」。競い合い、助け合いながら、ともに播磨屋の芸を受け継ぐ決意を示しました。

2016年06月24日

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