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《月イチ歌舞伎》『怪談 牡丹燈籠』トークイベントに柳家さん喬師匠登場

 

 

 8月22日(月)、東京 東劇で《月イチ歌舞伎》『怪談 牡丹燈籠』上映記念として「柳家さん喬師匠 トークイベント」が行われました。

 20日(土)より全国33館で上映が始まった《月イチ歌舞伎》『怪談 牡丹燈籠』。台風直撃の中、東劇に詰めかけた大勢のお客様の温かい拍手に迎えられてさん喬師匠が登壇し、上映前のトークイベントが始まりました。

 

 半月前に「柳家さん喬 牡丹燈籠 全段通し 二〇一六 一夏一会」と題して、三遊亭円朝の速記本をもとにした約3時間の高座を終えたばかりのさん喬師匠。「この噺(はなし)は円朝が20日くらいかけて語ったのではないかと思います。今は円朝全集でしか知る由もありませんが…」と言いつつ、落語と歌舞伎の牡丹燈籠についての楽しいトークが始まりました。

 

 「なぜ、普通の燈籠ではなく牡丹燈籠なのかというと、この作品の原作が、中国の『牡丹灯記』という物語で、これを円朝が落語にしたからなんです」と話し始めた『牡丹灯記』の喬生と麗卿のストーリーは、まさに新三郎とお露の怪談。「でも、落語の『牡丹燈籠』は実は敵討ちの物語」と師匠は続けます。

 

 「発端は本郷の刀屋で、刀を買おうとしていた平太郎が、因縁をつけて金を巻き上げた黒川孝蔵を斬ってしまったこと」と、今度は、円朝がつくり上げた物語の筋を語りました。「平太郎は父の平左衛門の名を継ぎ、下僕に雇った孝助が実は自分が斬った孝蔵のせがれだった。父の敵を討たせてやりたい平左衛門、平左衛門の妻のお国と源次郎の密会と悪だくみを知り、大好きな平左衛門のために源次郎を始末しようとする孝助。しかし、源次郎と思って槍で突いたのが平左衛門で…」。孝助の敵討ちの物語にお客様も引き込まれます。

 

 そのうえでさん喬師匠は、「いろいろな『牡丹燈籠』があるわけですが、歌舞伎は本当によくできていますね。落語は情景をとらえきれないことがありますが、芝居だと、お客様が想像している世界に、さらに色を重ねてご覧いただける。具体的に人物が動きます。そこにまた、歌舞伎の形のよさ、美しさですからね」と、歌舞伎の魅力を挙げました。

 

《月イチ歌舞伎》『怪談 牡丹燈籠』トークイベントに柳家さん喬師匠登場

 円朝は歌舞伎のせりふを落語にとり入れていて、「特に落語の関口屋のゆすりのところなどは、芝居を意識してつくっている気がします」と、円朝と歌舞伎の相性のよさにもふれ、最後にさん喬師匠一押しのシネマ歌舞伎のみどころを挙げました。「三遊亭円朝の役で大和屋さん(三津五郎)が物語の途中をうまくお話しなさいます。あー、やっぱり役者さんだなあ、というのも、せりふ回しがとてもきれいなんです。カッコいいなと思います」。

 まだまだ、話が尽きないところを時間ピッタリに収めたさん喬師匠、「おあとがよろしいようで」と、高座ならぬステージから降りる姿に大きな拍手が送られ、シネマ歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』の上映が始まりました。

 

 《月イチ歌舞伎》『怪談 牡丹燈籠』は8月26日(金)まで、こちらで上映中。お近くの映画館へぜひ足をお運びください。

2016年08月22日

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