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笑也の衣裳も披露、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」

笑也の衣裳も披露、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」

 

 

 3月25日(土)、歌舞伎座ギャラリーで行われた、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」に、市川笑也が登場して公演について語り、自らの解説付きで女方の拵え(こしらえ)の様子を見せました。

 歌舞伎とフィギュアスケートの初めてのコラボレーションとなる「氷艶 hyoen2017『破沙羅(ばさら)』」に向け、着々と準備が進むなか、いつもとは異なる新作歌舞伎の創作の過程を、出演者でヒロインの一人、岩長姫を勤める笑也が明かしました。木挽町ホールの舞台も新しくなり、藤の花を背に登場した笑也。脚本を手がける戸部和久が司会を務め、まずは「これが実際に笑也さんが着用される衣裳です」と、岩長姫の衣裳について説明を始めました。

 

笑也の衣裳も披露、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」

裾をなびかせる岩長姫の大迫力

 「フィギュアかホッケーのどちらかのスケート靴を履き、この衣裳で滑ります。(裾が大きく広がるので)バックスケーティングはできません」と笑也。小さい頃からアイスホッケーを続けていた笑也は、すでに氷上では自由自在。衣裳をつけてリンクを滑走する笑也の姿は、見たこともない迫力になるそうです。「赤姫の衣裳で滑るのかと思っていたのですが、甘かったですね」。長い裾は、「濡れて重くなりますし、凍ってしまいますから」、防水加工が施されています。

 

 「スピードが出ると裾は浮いてしまうのですが、染五郎さんの“重りを入れればいいんじゃない”というご注文があったので、もっと重くなると思います」。裾を広げて滑る岩長姫の周りには人も近づけません。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に思いを寄せるも、妹の木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)にとられて嫉妬に狂い、恨みの一念から大悪人の仁木弾正を呼び出してしまう岩長姫。「頭(かつら)も大きく、これで滑るのか!と驚かれることでしょう」。豪華な衣裳にスケートのスピードをまとい、孤高の迫力で氷上に君臨する姿が目に浮かびます。

 

氷上でも女方の技術をいかんなく発揮

 しかし、あくまでも岩長姫は女方。染五郎の仁木や高橋大輔の演じる源義経との芝居では、女方の表現が必要になります。「女方は肘を下におろすと肩が落ちます。最初は肘を内側に入れるのですが、怖い女性を演じるときは肘を外側にして…」と、実際に肘や肩を動かしながら説明すると一目瞭然、ほんの少しの角度や位置で立役との違いを見せる笑也に、客席からは感嘆の声が上がりました。

 

 振付・監修は尾上菊之丞で、フィギュアスケートの振付師、宮本賢二との共同作業となります。「アイスホッケーと女方はつながりがあります。ホッケーも腰を下げて中腰で滑ります。外輪(足先を外側に向ける)で滑るのですが、内輪(足先が内側)になれば同じです。だから、私はずっと中腰人生…」との笑也のひと言に会場がどっと沸きます。外輪で滑るとがに股になってしまいますが、「ローリング走法というのがあり、内輪にする滑り方ができます」と、女方の笑也は氷上でも女方を貫くようです。

 

 宙乗りも見せる構想がある笑也は、「あと7回で宙乗り1000回。今回6回公演で全部飛ぶと999回」と、悔しがりましたが、見せ場はほかにもたくさんあります。滑らずに足の裏にスパイクを仕込んで走る人も出てきます。「皆様にフィギュアの優雅さ、歌舞伎の荒々しさ、染五郎さんの六方、氷上での戦闘シーンをぜひご覧いただきたい。映像とのアクションもあるかもしれませんので、皆様に見て楽しんでいただけるように頑張ります」と、ご来場を呼びかけました。

笑也の衣裳も披露、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」

 会の後半は笑也が解説をしながら、屋敷娘の化粧(かお)、拵えを会場の皆さんに披露しました。下地となる鬢付け油を塗るところから、鼻立て、目つり、ぼかしや目張りの入れ方など、手も口も休むことなく流れるように化粧が進み、2月の博多座の舞台で見せた屋敷娘の顔に近づいていきます。「眉毛が左右対称にならないという方は、手鏡だけを見て描いていらっしゃる」「化粧っ気のない町娘は黒の眉ですが、傾城や遊女の場合は紅をひいてから黒を乗せます」といった話もはさみながら、20分ほどで完成させました。

 

 「着物は腰骨のところだけぎゅっと締めれば苦しくない」「娘役は帯が高い位置で、年をとると帯が低くなります」。文金高島田の頭をかけ、矢絣の着物に矢の字の帯で屋敷娘に変身した笑也。「歌舞伎俳優は、役の年代やどういう生まれなのかを体つきで表現します」と、実際に娘から老婆、姫や町娘の動きを見せましたが、その歴然とした違いにはお客様も驚くばかり。

 

 また、2回目の会は英語の通訳付きで開催され、笑也のユーモアたっぷりの話しぶりや、時に通訳泣かせの駄洒落も折り込んでの楽しいトークに、会場は外国人のお客様も含めて終始、笑いが絶えませんでした。最後に、「5月の『氷艶』のステージでお待ちしております」と挨拶した笑也は、大きな拍手に送られて会場を後にしました。

 

笑也の衣裳も披露、「氷艶 hyoen2017」上演記念「『破沙羅』女方への変身」

 

 

※高橋大輔の「高」は、正しくは「はしご高」です。

 

「氷艶 hyoen2017『破沙羅』」公式サイト

2017年03月29日

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