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白鸚、幸四郎が語る「六月博多座大歌舞伎」襲名披露

白鸚、幸四郎が語る「六月博多座大歌舞伎」襲名披露

 

 

 6月2日(土)から始まる博多座「六月博多座大歌舞伎」で襲名披露する二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎が、公演に向けての思いを語りました。

さまざまな思いとともに博多の地へ乗り込む

白鸚、幸四郎が語る「六月博多座大歌舞伎」襲名披露

 1月歌舞伎座で始まった高麗屋の襲名披露興行は4月の御園座を経て、6月に博多座で行われます。37年ぶりの三代の襲名披露を奇跡と感じていた白鸚は、歌舞伎座の2月が終わったとき、「奇跡は手をこまねいて待っていて起こるのではない。歌舞伎を愛する、芝居を愛する皆さん方が起こしてくださったのだという気持ちに変わりました。その気持ちを持ち続け、6月の博多に向かいたいと思います」と、力強く述べました。

 

 幸四郎は母が博多の出身で、「博多は第二の故郷。半分は博多でできております」と切り出し、好きな博多の銘菓をいくつも挙げ、それらが「血となり肉となり今のこの身体になっております」と、にっこり。「幸四郎襲名は一生に一度のこと。振り返ったときに大変だったと思えるよう、積極的に大変にしようというのが自分のテーマでもあるので、博多座でも集中力を切らさずに」、感謝を込めて襲名をご披露させていただくと、気持ちを引き締めました。

 

思い出と思い入れの詰まった『伊達の十役』

白鸚、幸四郎が語る「六月博多座大歌舞伎」襲名披露

 「博多座という劇場ができたからこそ、九州の地でできるようになった作品で、新作歌舞伎の最高傑作だと思っています。猿翁のおじ様がつくられた歌舞伎はこんなにすごいと、九州の皆様に知っていただくように勤めます」と、幸四郎が「特別な思い」で臨む『伊達の十役』。「おじ様のご理解、ご協力をいただいて今回、襲名披露興行特別版という感じで、この興行でないとできないやり方、形のものをご覧いただきます」。三浦屋女房の役を三浦屋亭主にして白鸚が勤めるのもその一つです。

 

 「この役をできることが『伊達の十役』に憧れる一番の魅力。政岡をやるためにこの演目をやるといっても過言ではありません。真女方の気持ちで勤めます」。染五郎時代に2度演じ、博多座では3年前に上演。白鸚は染五郎の政岡を見て、「真女方を見事にやっていた。舌を巻きました。染五郎の器から芸があふれていました」と感じ、親としてうれしいと同時に、もったいないという思いが襲名にまでつながりました。襲名披露狂言にふさわしい上演が期待されます。

 

 また、「拵えからして三ツ銀杏の紋を付け、四ツ花菱の柄が入っている仁木弾正は、高麗屋にとって、松本幸四郎にとって大事な大事な役。そして、猿翁のおじ様がなさった宙乗りは、これ以上のものはない宙乗り。宙乗りとして最終的に行き着いた形で、皆様を非現実の世界にお連れすることができればと思っています」と、『伊達の十役』への思いをあふれさせました。

 

夜の部の襲名披露狂言は『魚屋宗五郎』『春興鏡獅子』

 白鸚は夜の部で、「お客様が喜んでくださるものを」と、『魚屋宗五郎』の宗五郎を勤めます。大叔父に十七世勘三郎、叔父に二世松緑がおり、「六代目(菊五郎)崇拝のこの二人がよくやっておりました」という縁の深さと、落語の噺が好きで桂文楽を参考にしていることも明かしました。「やっているほうは面白くて、楽しくてしょうがない。お客様にもそう思っていただけるようにしたい。『十役』や『鏡獅子』より簡単そうに見えますでしょう、ところができないんです」と、軽口もはさみながら上演への意欲を見せました。

 

 「千穐楽に明日もやりたいと、これほど思ったものはありません。毎日踊っていたいと思うくらい大好きですが、これほど苦しい踊りはない」、と幸四郎が言ったのは『春興鏡獅子』。前シテの弥生と、後ジテの獅子の精、「私は2役、まったく違うものとして勤めます。どれだけきっちり弥生で踊れるか、後ジテはどれだけ力強く大きく踊れるか」の苦しさに加え、襲名披露狂言としてのプレッシャー。まさに、本人の襲名披露のテーマである「大変なこと」に間違いありません。

 

新たな名前で臨む博多座

 染五郎、幸四郎として「いろいろといい仕事をさせていただきましたが、それは過去のもの。これからは二代目白鸚としてさらに、九代目幸四郎、六代目染五郎時代よりもっといい仕事を皆様にお見せしたい」と、意気盛んなところを見せた白鸚。そんな父の名を「譲られ、許される…。正直、これ以上うれしい、幸せなことはありません。なぜなら私は、父の背中をずっと追いかけていますので。今までも、これからもそれは変わりません」。

 

 襲名の喜びを率直に言葉にしたうえで幸四郎は、「そのうれしい気持ちを秘め、何をやっていくかが、とても大事」と続けました。歌舞伎座の「襲名披露口上」は、「染五郎でございます、と息子がご披露しているのを毎日聞くことによって、自分は染五郎でないと言い聞かせてもらった、自分が幸四郎だと感じさせてくれた時間だったと思います」と振り返りました。

 二代目白鸚、十代目幸四郎として初めての博多座、二人が何を見せてくれるのか、おおいに期待される6月。博多座「六月博多座大歌舞伎」は6月2日(土)から26日(火)までの公演。チケットは博多座のオンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで、4月14日(土)発売予定です。

2018年03月10日

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