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南座「吉例顔見世興行」上演演目発表

南座「吉例顔見世興行」上演演目発表

 南座「當る丑歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」製作発表 右より、安孫子正松竹株式会社代表取締役副社長、藤田孝南座支配人

 12月5日(土)~19日(土)に開催される、南座「當る丑歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」の製作発表が行われました。

 歌舞伎において、最も伝統ある興行で、師走の京の年中行事である南座の「吉例顔見世興行」。8月から現在まで、歌舞伎座で上演された歌舞伎公演や、南座で開催されたイベントなどの経験を踏まえたうえで、今年の「吉例顔見世興行」をどのようなかたちで開催するか、検討が重ねられてきました。地方公演に伴う関係者の長距離移動によるリスクや、密を避けることを考慮し、今年の「吉例顔見世興行」は、例年より期間を短縮し、三部制、各2演目の興行として行われることが発表されました。

 

 今回は専門家のご意見をうかがいながら、密を避け、かつ消毒等の徹底や換気の促進等を念頭に置いた対策が講じられます。販売する客席数を減らし、また各部の入替え時間に余裕をもつことで終演及び開場時の混雑を避けることを目指すほか、空調設備だけでなく窓や扉の開放によるさらなる換気、各部終演後には場内の消毒を行います。お客様へは、場内でのマスク着用の徹底や手指の消毒、飲食やかけ声をお控えいただくことなどを呼びかけていきます(新型コロナウイルス感染拡大防止および感染予防対策についての詳細は、こちらをご覧ください)。

 

 また、劇場スタッフにおいても勤務時間や場所を区切り、スタッフ同士の接触回数を減らすことを検討し、徹底した対策を行います。このような状況のなかで、今年ならではの顔ぶれによる、多彩で魅力的な狂言立てとなりました。

 

 第一部は、松羽目物の『操り三番叟』で幕を開けます。三番叟に鷹之資、後見は國矢が勤めます。続いては、義太夫狂言の『傾城反魂香』より、夫婦の絆を描いた「土佐将監閑居の場」。浮世又平に鴈治郎、狩野雅楽之助に虎之介、土佐将監に寿治郎、土佐修理之助に吉太朗、将監北の方に吉弥、又平女房おとくに扇雀と、上方俳優による息の合った舞台にご期待ください。

 

 第二部の最初の狂言も、同じく松羽目物の『寿二人猩々』。隼人と千之助の猩々、亀鶴の酒売りでご覧にいれます。『熊谷陣屋』は、南座では襲名披露以来22年ぶりとなる仁左衛門の熊谷次郎直実を中心に、歌六の白毫弥陀六、孝太郎の熊谷妻相模、隼人の亀井六郎、千之助の片岡八郎、松之助の梶原平次景高、竹三郎の庄屋幸兵衛、進之介の堤軍次、錦之助の源義経、秀太郎の藤の方という配役でお見せする、重厚な時代物のひと幕をお楽しみいただきます。

 

 第三部は『末広がり』から。第一部、第二部と同様の御祝儀舞踊です。近年の本興行では上演されていなかったこの作品で、尾上右近が太郎冠者、米吉が女大名を演じます。そして今年の「吉例顔見世興行」の締めくくりを飾るのは、世話物の名作である『吉田屋』。幸四郎演じる藤屋伊左衛門、壱太郎の扇屋夕霧が紡ぎ出す、情緒あふれる恋模様を描いた上方和事の世界をご堪能ください。

 南座 京の年中行事「當る丑歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は、12月5日(土)から19日(土)までの公演。チケットはチケットweb松竹チケットホン松竹で11月15日(日)より販売予定です。

2020/10/02