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「三月花形歌舞伎」が南座で開幕

 3月2日(水)、南座で「三月花形歌舞伎」が初日を迎えました。

 今年も南座で、平成世代の勢いあふれる「三月花形歌舞伎」が華々しく開幕しました。

 

 まずは、出演者による〈ご挨拶〉です。坂東巳之助のアナウンスでお客様をお迎えし、午前の部では米吉と橋之助、午後の部では壱太郎と隼人が登場します。南座公式TwitterとInstagramで事前にご応募いただいたご質問に出演者がその場で回答していき、お客様との一体感が高まります。

 

 続いて、『番町皿屋敷』。放駒四郎兵衛を巳之助が勤め、青山播磨とお菊を午前の部では隼人、壱太郎が勤め、午後の部では、橋之助、米吉が勤めます。幕が開くと、そこは満開の桜が咲く、麹町山王下。旗本の青山播磨が奴たちを連れ、花見見物に訪れますが、そこに居合わせたのは、かねてより犬猿の仲にある町奴の放駒四郎兵衛ら。喧嘩を売られ、今にも乱闘が始まろうとしますが、播磨の伯母、真弓が現れ、播磨を厳しく諫めます。

 

 ところ変わって、播磨の屋敷では腰元のお菊が心ここにあらずな様子です。実は播磨とお菊は夫婦を約束した仲。しかし、播磨の縁談話の噂を耳にし、身分違いの恋ゆえに不安にかき立てられます。沈黙が流れるなか思いつめたお菊がふと目にしたのは、一枚でも割ったら手討ちになる掟がある青山家の家宝の皿。播磨の思いを確かめたい衝動に駆られ、皿を手にとったお菊は…。

 

 雰囲気をがらりと変え、上演されるのは『芋掘長者』。芋掘藤五郎を巳之助が勤め、午前の部は治六郎を橋之助、緑御前を米吉が、午後の部は治六郎を隼人、緑御前を壱太郎が勤めます。そして、魁兵馬を隼人と橋之助、腰元松葉を壱太郎、米吉とダブルキャストで勤め、出演者総出演の華やかなひと幕です。

 

 芋掘の藤五郎は以前より思いを寄せる、緑御前の婿選びの舞の会に、舞の名手と偽り乗り込みます。踊りが上手な友人治六郎と途中で入れ替わり、面をかぶって舞を披露してもらうことで緑御前の目に止まることに成功しますが、次は面を取って踊るようにと所望されてしまいます。ユーモアあふれる踊りに、客席からも思わず笑いが起こり、藤五郎の一途な恋心に心温まる幕切れとなりました。

 南座「三月花形歌舞伎」は13日(日)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2022/03/04