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菊五郎、菊之助が語る、博多座「六月博多座大歌舞伎」

菊五郎、菊之助が語る、博多座「六月博多座大歌舞伎」

菊五郎、菊之助が語る、博多座「六月博多座大歌舞伎」

  6月3日(金)に開幕する博多座「六月博多座大歌舞伎」に出演する尾上菊五郎、尾上菊之助が、公演に向けての思いを語りました。

音羽屋にとって大事な演目

 令和元(2019)年の公演以来、3年ぶりの博多座出演となる菊五郎。コロナ禍の影響で船乗り込みが行えない寂しさを口にしながらも、「劇場に入ったらお客様には、歌舞伎の世界にどっぷりとつかっていただいて、コロナのことも忘れていただけたら」と、力強く語ります。自身が勤める『義経千本桜』「すし屋」は、五世、六世尾上菊五郎が、江戸風に演じ人気を得た作品。二世尾上松緑に教わったという権太は、「善と悪が交差する、何度やっても難しい役」だと話します。

 

菊五郎、菊之助が語る、博多座「六月博多座大歌舞伎」

 

 「初めは憎たらしく、徹底的に悪く。そこからガラリと変わってお客様にアッと思わせる。大変だけどやりがいのある芝居を通じて、親子の情愛をお見せできれば」と、役どころについて触れました。夜の部で、やはり五世、六世菊五郎が演じ人気を博した『魚屋宗五郎』に菊之助が挑むことには、「歌舞伎は親から子へ伝えていきますが、本人がその作品をどうとらえていくかはそれぞれ。今回、倅が博多座という劇場で勉強させていただくのは、本当にありがたいこと」と、思いを寄せました。

 

本興行ではいずれも初役

 菊之助は、昨年に続く博多座公演への出演。「昨年2週間だった公演期間が今年は20日間となり、コロナ禍前の興行に近くなってきているのは、とてもうれしいです。博多座のお客様は非常に熱く、心を打つ芝居がかかると、本当に食い入るように観てくださいます」と、思いを馳せます。家の芸である新古演劇十種の内『土蜘』、『身替座禅』に博多座で初めて挑んだという菊之助は、今回も博多座で、『鷺娘』とともに、音羽屋ゆかりの『魚屋宗五郎』を本公演では初めて勤めることに、特別な思いを感じていると言います。

 

菊五郎、菊之助が語る、博多座「六月博多座大歌舞伎」

 

 「引抜きや、ぶっかえりもあり、非常に変化に富んだ舞踊」と、『鷺娘』のみどころを語る菊之助は、「せりふは、ありませんが舞踊を通じて、かなわぬ恋に身を焦がし、雪のなかで静かに死んでいく切なさを表現できれば」と、娘心の内に秘められている思いを明かします。宗五郎については「酔っ払っていく様も一つの見せ場ではありますが、家族愛や、江戸の人たちが残したかった心をお客様に感じていただきたい」と、意気込みます。最後に「初めて歌舞伎を観る方も、観慣れている方でも楽しめるラインナップとなっていますので、ぜひ劇場にお越しください」と、笑顔で締めくくりました。

  博多座「六月博多座大歌舞伎」は、6月3日(金)から23日(木)までの公演。チケットは、博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売中です。

2022/05/27