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愛之助が語る「第十三回 永楽館歌舞伎」

愛之助が語る「第十三回 永楽館歌舞伎」

 

 2023年9月22日(金)から始まる、兵庫県 出石永楽館「第十三回 永楽館歌舞伎」に出演の片岡愛之助が、公演への思いを語りました。

 近畿最古の芝居小屋で、兵庫県の重要有形文化財にも指定されている出石永楽館。平成20(2008)年の杮落から毎年歌舞伎公演を行っていましたが、近年はコロナ禍での中止が続いており、このたび4年ぶりの開催となります。会見場の幟に書かれた「お帰りなさい」の文字を見つめながら、「4年ぶりの永楽館歌舞伎、本当にうれしゅうございます」と、愛之助は喜びを口にします。

 

愛之助が語る「第十三回 永楽館歌舞伎」

 

明るくわかりやすい演目立て

 上演される演目は、『菅原伝授手習鑑』「車引」と『お目見得口上』、そして『釣女』です。「明るく、初めて歌舞伎をご覧になる方でもわかりやすい演目です。『車引』は、三つ子の衣裳を三人とも赤にして、桜丸もむきみ隈を取らない上方のやり方で上演したいと思っています。なかなか上演されないやり方ですので、こだわって演じたいですね。『釣女』はわいわいと楽しく、明るく笑っていただける作品です」と、4年ぶりの開催を盛り上げる演目が並んだことをアピールしました。

 

 また永楽館歌舞伎ではすっかりおなじみの『口上』は、「昔、どのような演目が観たいかとお客様にアンケートを取ったら、一番人気があったのが『口上』でした。毎回『口上』をするということもあまりないことですが、今回はもちろん久しぶりの永楽館歌舞伎ということで、つけさせていただきました」と、笑顔。「素敵な役者さんがいらっしゃると思います」と語る様子から、今後発表される共演者にも期待がふくらみます。

 

大切なライフワーク 

 永楽館歌舞伎の魅力を、「お客様はもちろん、自分もタイムスリップして昔に来たような気分になれますし、先人たちが培い、築き上げてこられたものを実感します。そして私がお芝居させていただいたなかでは、お客様との一体感が一番強い芝居小屋なのではないかと感じます」と、語る愛之助。「第一回からずっと勤めさせていただき、私にとってライフワークのような、歌舞伎俳優として大事なものの一つとなっています。非常に楽しく勤めさせていただいてますし、役者を続けている限り、この永楽館歌舞伎を続けていきたいなと思っています」と、熱い思いを口にしました。

 

愛之助が語る「第十三回 永楽館歌舞伎」

 左より、榮木健二永楽館歌舞伎実行委員会会長、片岡愛之助、西上均豊岡市副市長

 そんな愛之助にとって大切な永楽館歌舞伎は、「地元の方々の力がなくてはできないこと。ボランティアの方々、地元の方々の協力を得て成り立っていることを本当に毎回痛感しています」と、深い感謝を込めます。令和3(2021)年には、平成26(2014)年に出石永楽館で初演された『神の鳥』が、歌舞伎座でも上演されました。「地元にちなんだ作品をいくつかつくらせていただきましたが、まさか小さな芝居小屋から一番大きな歌舞伎座で上演されるとは思いもよらず、非常に思い出深い作品になりました」と述べました。

 

 最後に、「9月22日初日、26日千穐楽と、短い間ではございますが、4年ぶりの永楽館、張り切って勤めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」と、締めくくった愛之助。地元の方からの熱い声に応えるべく、今後、公演に向けて何かできることはないかと検討している様子もうかがえました。 

 出石永楽館「第十三回 永楽館歌舞伎」は、9月22日(金)から26日(火)までの公演。チケットは7月23日(日)から永楽館窓口で、7月26日(水)からは、チケットWeb松竹チケットホン松竹ほかで発売予定です。

2023/07/20