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市川團十郎さんご逝去
歌舞伎俳優の十二代目市川團十郎<いちかわ・だんじゅうろう、本名:堀越夏雄=ほりこし・なつお>さんが、2月3日午後9時59分、東京都内の病院でご逝去されました。享年66歳。謹んでご冥福をお祈りいたします。
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昭和21(1946)年8月6日、十一世市川團十郎の長男として東京に生まれる。
昭和28(1953)年10月歌舞伎座『大徳寺』三法師で市川夏雄を名のり初舞台。同33(1958)年5月歌舞伎座『風薫鞍馬彩(かぜかおるくらまのいろどり)』牛若丸で、六代目市川新之助を襲名。同44(1969)年11月歌舞伎座『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』花川戸助六、『勧進帳』富樫左衛門で十代目市川海老蔵を襲名。同60(1985)年4~6月歌舞伎座『助六由縁江戸桜』花川戸助六、『勧進帳』武蔵坊弁慶、『暫(しばらく)』鎌倉権五郎ほかで、十二代目市川團十郎を襲名する。同年7、8月には歌舞伎訪米公演でも襲名披露を行った。
自主公演では、昭和63(1988)年6月国立劇場『坂東修羅縁起譚(あずまのしゅらえんぎばなし)』、平成4(1992)年8月歌舞伎座『成田山分身不動(なりたさんふんじんふどう)』、同10(1998)年8月歌舞伎座『鶴賀松千歳泰平(つるがのまつちとせのたいへい)』などを上演。
平成16(2004)年5月歌舞伎座「十一代目市川海老蔵襲名披露興行」にて『勧進帳』弁慶を勤めた後、急性前骨髄球性白血病のため緊急入院。退院後の10月、パリのシャイヨー劇場での海老蔵襲名パリ公演で舞台復帰を果たす。翌年(2005年)8月に再発の疑いで入院、同18(2006)年2月に退院、同年5月歌舞伎座『外郎売(ういろううり)』外郎売実は曽我五郎時致で舞台復帰。平成19(2007)年3月「パリ オペラ座 松竹大歌舞伎」では、オペラ座ガルニエ初の歌舞伎上演で『勧進帳』の弁慶と富樫を勤め、『口上』ではにらみを披露した。
平成24(2012)年12月17日、京都四條南座「吉例顔見世興行」での『梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)』梶原平三、『船弁慶』武蔵坊弁慶が最後の舞台となった。
昭和61(1986)年松尾芸能大賞、同63(1988)年度日本芸術院賞、平成7(1995)、12(2000)年眞山青果大賞、同10(1998)年度芸術祭賞演劇部門優秀賞、同19(2007)年フランス芸術文化勲章としてコマンドゥール、同年紫綬褒章、同年第55回菊池寛賞、同24(2012)年日本芸術院会員ほか受賞、受章多数。