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山田洋次監督、勘三郎 シネマ歌舞伎『人情噺 文七元結』上映会で挨拶

7月19日から始まった「SKIPシティDシネマ映画祭2008」。その特別招待として中村勘三郎主演、山田洋次監督のシネマ歌舞伎『人情噺 文七元結』が上映されました。上映後は盛大な拍手が起こり、興奮冷めやらぬ中、中村勘三郎と山田洋次監督が登場し、舞台挨拶を行いました。
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勘三郎―――
「今日初めてこの作品を観ました。自分の芝居を観るのは恥ずかしいですね(笑)。祖父の六代目菊五郎も小津安二郎監督に『鏡獅子』を撮っていただきましたが、同じように僕も現代の巨匠である山田監督に撮っていただきたいと思っていました。監督は落語に造詣が深く、またこの文七は寅さんのような人物ですし、本当にありがたいことだと思っています。
今回は、山田監督に大道具を作っている現場にもお越しいただいて、壁のしみや、畳の傷み方まで、細かく汚しの指示をしていただきました。またぜひ、シネマ歌舞伎の撮影をお願いできればと思っておりますし、できれば歌舞伎の新作も書いていただきたいなと思っています。」
山田洋次監督―――
「本編に収録されている拍手や声に加え、今日は客席の皆様からも同じような反応が起こって、楽しさが倍増しました。
歌舞伎の台本に手を入れるという大胆なことをさせていただき、さらに撮影では、8台ものカメラを使って贅沢に撮らせていただました。
この作品と一緒に『連獅子』も撮影していますが、こちらも凄く迫力があり、とても対照的な2作品ですが、どちらも魅力があります。
今回、舞台では見えないアングルや、クローズアップで勘三郎さんを見ましたが、とても繊細な芝居をされていて、存在感があり、リアルな人間の気持ちがにじみ出てくる大変な役者だと改めて思いました。
また、シネマ歌舞伎に向く良い素材があれば是非やりたいと思っています。」
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シネマ歌舞伎『人情噺文七元結』は10月18日(土)から東銀座・東劇ほか全国順次公開予定。同時に撮影した勘三郎・勘太郎・七之助親子による『連獅子』は2008年12月27日(土)より公開の予定です。詳しくはシネマ歌舞伎ホームページをご覧ください。