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九團次自主公演「九團次の会」のお知らせ
9月27日(水)名古屋、28日(木)京都、29日(金)・30日(土)東京の3都市で、市川九團次が自主公演、第二回「九團次の会」を開催、公演への意気込みを語りました。
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昨年に続く九團次の自主公演、今回は3カ所の会場のうち京都以外は能楽堂であることから、衣裳や鬘(かつら)なしの素踊りに挑みます。そして講談にも挑戦。「一人でやることで何か見えてくるものがあるんじゃないか、何も頼れないところに身を置くことで、見えてくるものが」と、今年のテーマを「一人」に掲げました。
衣裳や鬘の力を借りずに見せる素踊りで勝負
歌舞伎俳優の基礎となる舞踊。「スタートが遅かったものですから、日々、コンプレックスを感じていて、舞踊は常に意識してやってきました。あらためて取り組んでみようということで今回、ご宗家(藤間勘十郎)がご自分で踊られるときにつくられた新作を、踊らせていただけることになりました」。それが、『那須与一扇之的』。「表情も動きもすべてそぎ落とされる素踊り。非常に難しいことをあえてやらせていただく。今、どこまでできるのか、お客様に評価していただきたいと思っています」。
幕開きには「ご祝儀舞に近いものを」と『翁千歳三番叟』も踊ります。「厳かに始まり、足も踏み鳴らしますし、音として派手で体もよく使う踊りです。格式があってもリズムもあり、お客様を引き込めるのではないかと」選びました。究極の緊張を、お客様にも感じていただきたいと言います。
わかりやすい講談で舞踊もよりわかりやすく
舞踊の間には、「初めて見る人にもわかりやすい」講談。「講談で物語を語ったあとで、舞踊。振りが非常にわかりやすくなるんじゃないでしょうか」。以前、『染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん)』が上演されたとき、「講談師の方と共演して面白いなと思い、公演後、旭堂南左衛門師匠に手ほどきをお願いしたのが、たまたま『那須与一』だったんです」。奇しくも今回の舞踊と同じ題材だったことに縁を感じ、新たに教えを受けました。
「講談は聞いているとそれほど思いませんが、20分しゃべり続けるというのは、ものすごい字数なんです。ト書き、たくさんの登場人物、ナレーション、すべてを一人で、しかも擬音、いわゆる効果音も自分でやらなければなりません。歌舞伎とは違いますが、息の使い方や間のとり方など、必ず自分の身になると思いますし、勉強してきたことが講談に活かせればいいなとも思います」。師匠からは、せりふの部分は学んできたものを出したらいいと言われているそうです。
日頃の成果をこの公演にぶつける
昨年の自主公演では「主役の気持ちがわかるようになりました。脇に立つとき、主役の人がどう考えているのかをよく考えるようになりました」。それが一番大きな収穫だったという九團次。そして、「長年、関西でお世話になってきた方々に、九團次も頑張っているな、よくなったなと言っていただきたい」と続けました。
上方歌舞伎とはがらりと違う江戸の狂言への挑戦、「今までやってきたことをどこまで出せるか、出していいのか、常に問いかけている」新作へのとり組み。日頃の舞台の成果をこの公演で見せて「恩返しをしたい」気持ちもあります。さらに、今年は東西に加え、名古屋でも公演。「毎年、実験的に」と意気盛んです。「すべてをかけて舞台に立ちたい。がむしゃらに、汗だくになってやります。僕の場合、それしかないと思いますので」。お客様の視線を一身に集め、広い舞台に一人立つことを決めた九團次の覚悟の公演です。ぜひ、会場へ足をお運びください。
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第二回「九團次の会」
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一、舞踊 翁千歳三番叟(おきなせんざいさんばそう)
二、講談 源平盛衰記 ―那須与一名誉扇之的―
(げんぺいせいすいき なすのよいちほまれおうぎのまと)
三、舞踊 那須与一扇之的(なすのよいちおうぎのまと)
出演:市川九團次
【名古屋公演】
2017年9月27日(水)18:00開演
チケット 全席指定:6,000円(税込)
お問い合わせ 「九團次の会」名古屋公演実行委員会 03-5772-3220(平日11:00~19:00)
【京都公演】
2017年9月28日(木)13:00開演
ロームシアター京都 サウスホール
チケット 一等席:6,000円 二等席:5,000円(いずれも税込)
お問い合わせ キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00~18:00)
【東京公演】
2017年9月 | 29日(金)13:00/16:00開演 |
30日(土)13:00開演 |
※開場は開演の30分前
チケット 全席指定:6,000円(税込)
お問い合わせ Zen-A(ゼンエイ) 03-3538-2300(平日11:00~19:00)