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尾上松也自主公演「挑む」出演者が意気込みを語りました
11月26日(金)、東京・玉川区民会館で開催される「挑む~歌舞伎役者の華麗な舞~」。主催の尾上松也、出演者が公演での意気込みを語りました。
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尾上松也
昨年スタートした「挑む」を今年も開催させていただくことになりました。昨年は、プロジェクトが動き出してから初めて気がつく事や、先頭に立って動かなくてはいけない事、そして自分への責任など、様々な事が自分の予想を遙かに超えていて、本当にあっという間に公演が終わってしまったような気がします。そんな中、お稽古の時間が夜中になってもご指導して下さった、尾上松緑さんや尾上青楓さんをはじめ、沢山の皆様の支えと熱い気持ちが本当に嬉しく、またこの会で多くの素晴らしい方々に出会えた事に心から感謝をしています。
今回は舞踊3演目です。私は『棒しばり』の次郎冠者を勤めます。昨年に続き松羽目物を学びたいという思いもあり、ずっと挑戦してみたいと思っていた演目で、長年の夢が叶うような気持ちです。これほど棒を使って動くというのも初めてですが、棒が自分の体と同じような感覚にならなくては、棒の名人とお客様に思って頂けません。棒と一体化するという事がとても重要ではないかと思っています。
『二人椀久』は自分もやりたいぐらいなのですが(笑)、踊りの上手な國矢さん、女方もしっかり勤める左字郎さん、そうした2人の『二人椀久』を個人的にもぜひ観てみたいと思っています。最初の『鶴亀』は、家の一門で踊らせていただきます。昨年は第1回ということで、一門にはしっかりと裏を支えてもらったのですが、今回はぜひ一緒に出演して欲しいと話し、賑々しいお目出たい舞台を勤めてもらうことになりました。『鶴亀』の後に、しっとりとした『二人椀久』、そして最後に楽しい『棒しばり』と、色の違う3演目をお客様に楽しんでいただきたいと思っています。
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『棒しばり』は市川團蔵さんにご指導をいただいています。團蔵さんは、2代目尾上松緑さんから、父(6代目尾上松助)と一緒に『棒しばり』を教えていただいたそうで、そうした方に教えていただけるのは、とてもありがたいことです。教えて下さる先輩方への感謝の気持ちは、会をするごとに増していきます。受け継がせていただけること、教えていただけることがどれ程有難い事か、この会を通じてしみじみと感じています。
前回観に来ていただいた大勢のお客様のおかげで、こうして第2回公演をすることができます。まだまだそれぞれ未熟なところはあると思いますが、お客様に喜んでいただいけるような舞台を、心を込めて今一所懸命に創っているところです。前回観に来ていただいた方はもちろん、今回初めてというお客様にもぜひ足をお運びいただき、この若い力、若い奴らがどんなことをするのかをぜひ観ていただきたいと思っています。そして、この公演を成功させ、第3回、第4回と回を重ね、様々な可能性にどんどん挑戦していきたいと思っています。
尾上徳松
『鶴亀』の女帝を勤めます。以前松五郎さんと2人で踊らせていただいた事がありますが、その時ご指導していただいた師匠(尾上松助)の事などを懐かしく思い出します。『鶴亀』は一番最初に上演されますので、舞台を清める気持ちで、そしてこのお目出たい踊りを神様に奉納するような気持ちで勤めるつもりです。またお客様には、この舞台を神様と一緒にぜひご覧いただきたいと思っています。とても緊張していますが、その緊張感も一緒に感じていただけたらありがたく思っています。
尾上隆松
『鶴亀』で亀を勤めさせていただきます。歌舞伎の本公演では、こうして名前のついたおお役を踊ることは少ないので、この機会を大切に勤めたいと思っています。尾上青楓先生に教えていただいたことを大切にして、流れで踊ってしまわないように、一つ一つの形の意味を大事に踊りたいと思っています。そしてこの「挑む」がさらに大きな会になるように、精一杯舞台を勤めさせていただきますので、大勢の方にご覧いただき楽しんでいただきたいと思っています。
澤村國矢
『二人椀久』の椀久を勤めることになりドキドキしています。一度は踊ってみたいと先輩方の舞台を観て憧れていましたし、尾上流にとっても大切な演目です。曲も大変素晴らしく、松山と息を合わせて踊る花街の華やかな場面も見どころですが、早さだけではなく、その中に人物像を描くことができるように丁寧に踊りたいと思っています。椀久は中性的なお役です。本当は無骨な侍のようなお役の方が気は楽なのですが(笑)、柔らかさと色気というものが出せればと思っています。
市川左字郎
松山は本当に難しいお役です。この振りのときはこの場所にいなくてはいけないといった、舞台上での決まりもきめ細かく設定されていで、それを覚えるだけでも大変です。松山は幻ですから幻想的に、そして曲調の変化に合わせながら存在感も変えることができればと思っています。前回の「挑む」は第1回目の公演ということもあって、何もかもが手探り、そして一気に駆け抜けたような感じでした。今回は2回目、さらに3回4回と大きな公演になればこんなに嬉しいことはありません。
尾上松五郎
『鶴亀』は、1人で踊るところ、2人で踊るところ、3人で踊るところ、徳松さん、私、隆松さんそれぞれに持ち場がありますから、その持ち場を一つずつ大事に勤めたいと思っています。『棒しばり』の大名は、ちょっとほんわかとした柔らかなところがあるので、次郎冠者、太郎冠者とはセリフにしても役柄にしても重ならないように気をつけたいと思っています。そして、ご指導いただいている市川團蔵さんに教えていただいた事を守り、周りの方々とイキを合わせて勤めたいと思っています。
尾上音一郎
『棒しばり』で松也さんとご一緒させていただきます。仲の良い2人が棒にしばられ後ろ手にされそれでも酒をのんで悪巧みをするというお話ですので、普段食事をご一緒させていただいている時の様子が舞台に出るのではないでしょうか(笑)。酔うお役は初めてですが、酔っていないところから酔うところへ、その違いを分かりやすく見せたいと思っています。狂言物ですのでテンポ良く、2人でイキを合わせ、面白みを出して、お客様にも一緒になって酔っていただける、そんな舞台を創りたいと思っています。
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詳しい情報は挑む公式サイトをご覧ください。