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中村梅丸が歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で初代中村莟玉披露

中村梅丸が歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で初代中村莟玉披露 11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で、中村梅丸が中村莟玉(かんぎょく)と名を改めることが発表されました。

 梅丸は、平成16(2004)年に中村梅玉のもとへ入門、翌年初舞台を踏み、平成18(2006)年に梅玉の部屋子となって中村梅丸を名のりました。このたび、梅玉の養子となり、11月歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で、初代中村莟玉を名のり披露します。

 

歌舞伎俳優としてのスタートラインに

 梅玉は、梅丸が初めて楽屋を訪ねてきた15年前を、「歌舞伎が好きで、毎週土日はどんな日も必ず楽屋に来て手伝いをしていた」と振り返りました。梅丸を養子とし、新しい名跡で披露することについては、梅丸が成人し、名題試験に受かった頃に、「これも縁。彼自身も覚悟がある」と感じて決意したといいますが、「もちろんまだ半人前。やっとこれで、役者としてスタートラインに立ったばかり。私ともども精進を重ねて、一所懸命頑張ろうと思います」と、温かい口調で述べました。

 

 歌舞伎俳優として舞台に立てたことだけでも、「かなわないと言われていた夢をかなえさせていただいた」という梅丸。今回のことを「夢見てはいましたが、自分のこととなると、なかなか想像できませんでした。師匠よりお話をいただき、本当にうれしく思っております。ご披露させていただいて、やっと自分でも実感が湧いてくるのではないか」と胸の内を素直に明かし、「育てていただいた一門で、この度のような披露をさせていただける。その幸せを噛みしめながら」頑張りたいと、真剣な表情で語りました。

 

中村梅丸が歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で初代中村莟玉披露

将来は本人次第

 披露演目は『菊畑』で、梅玉が智恵内、梅丸が虎蔵を勤めることも発表されました。梅玉は、梅丸が演じる虎蔵について、「彼は、もともと私の芸に憧れておりますので、その系統の道に進むには、最適の役だと思います」と話しました。代々の梅玉の芸風が、それぞれ異なっていたことに触れたうえで、「まだまだ修業中の身ですから、今後は女方も立役も色々な役を勉強していくことになる。与えられた役に、どう成果を出していくか、それはもう、まさしく本人次第です」と期待を込めます。

 

 今は女方を勤めることが多い梅丸ですが、梅玉が得意とする、『菊畑』の虎蔵や、『白浪五人男』の赤星十三郎などを、これから「自分の身体のなかに入れていきたいお役」とし、「それを皆さんにどのように受け取っていただけるのか、自分はどういうふうにできるのかを探りながら、(梅玉の芸風を)目指すということを、今は念頭において頑張りたい。もちろん女方も勉強したいので、欲張りといえば欲張りなんですけれど」と強い意欲を見せました。

 

中村梅丸が歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で初代中村莟玉披露

若いつぼみとして

 莟玉は、梅玉の養父である六世中村歌右衛門が行っていた勉強会「莟会」にちなんだもの。この名について「莟という名前は私にとっても大事な名前です。まだ開く前の花の芽、前途有望な、一人前になる前の若者」と、込められた思いを語った梅玉。「一人の若手俳優として、どんな立場であろうと、精進を重ねて、周りの皆さんが認めてくだされば、だんだんと役もついてくる。私の養子になるということを、プレッシャーに感じてはいけない」とエールを送りました。

 

 梅丸は「大旦那(六世歌右衛門)を、僕は映像でしか拝見したことがないんですけれども、とても尊敬しています」と熱く語ります。「師匠のもとで勉強させていただくうちに、どんどん自分の一門のことが好きになっていって。この一門の精神はどこが源なんだろうと考えたときに、どうしてもやっぱり、大旦那に行き着くんです。自分も一門の一員として、その精神を学びたい、それを自分のアイデンティティにしたいと思います」と、晴れやかな表情で決意を表明しました。

 

2019年08月28日

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