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愛之助が語る、「六月博多座大歌舞伎」

愛之助が語る、「六月博多座大歌舞伎」

 

 2023年6月3日(土)に開幕する博多座「六月博多座大歌舞伎」に出演の片岡愛之助が、公演に向けての思いを語りました。

博多座で観ていただきたい

 博多座の歌舞伎公演への出演は、平成31(2019)年3月以来となる愛之助。「博多は最高」と笑顔で切り出し、「博多座に来たことがない人には、まず来てみてほしい劇場です。博多座のお客様は熱く反応してくださるので、とても楽しんでくださっていることが伝わってきます。劇場や、お客様の雰囲気で、わいわい楽しく歌舞伎を観ていただける劇場なので、(すでに観たことがある演目でも)博多座で観ていただきたい」と劇場の魅力を話すその口調から、熱い思いが伝わります。

 

 5月31日(水)には、4年ぶりに博多座の「船乗り込み」が復活します。「すごくうれしいです、あの雰囲気が大好きです。この時期の船乗り込みは気候もよく、船乗り込みが行われることを知らずに街を歩いていらっしゃる方も気さくに手を振ってくださるので、僕らも盛り上がります。船乗り込みを見て公演を観に来ましたというブログの書き込みもあったりして、とてもありがたいです。僕らが(劇場に)入る日に船乗り込みが行われるので、博多座に久しぶりに帰ってきた“ただいま”という気持ちで乗り込ませていただきます」と、心待ちにしている様子です。

 

愛之助が語る、「六月博多座大歌舞伎」

 

色とりどりの演目

 「六月博多座大歌舞伎」で、愛之助は昼の部『人情噺文七元結』の鳶頭伊兵衛、『太刀盗人』の田舎者万兵衛、夜の部『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛を勤めます。『人情噺文七元結』は、三遊亭円朝が口演した落語が原作の作品です。「初めて歌舞伎をご覧になられる方にもわかりやすい人情噺。私が勤める鳶頭伊兵衛は少ししか出て来ませんが、江戸っ子の粋で威勢のいい素敵なお役です。江戸っ子らしさを楽しんでいただければ」と、呼びかけます。

 

 『太刀盗人』は、狂言の「長光」を題材にしたおかしみあふれる舞踊です。「お芝居の要素がある舞踊作品。私が演じる田舎者万兵衛が出てきて、お土産コーナーを見ていたら大事な刀をすられてしまい、その刀がどっちのものかを、(中村)鴈治郎のお兄さんがなさるすっぱの九郎兵衛とおもしろおかしく、せりふと踊りで、やりあうわけです。わかりやすい、楽しんでいただける、明るいお芝居」と、愛之助は紹介します。

 

 『夏祭浪花鑑』では、「団七という大坂の男の威勢の良さと、大坂の人情味あふれるところを見ていただきたい。あとは、殺しの泥場。歌舞伎らしい立廻りや様式美というものも楽しんでいただけるお芝居で、最後は壮絶ですが、歌舞伎を初めてご覧になられる方にも非常にわかりやすい名作です。うちの片岡家でも、祖父の十三世仁左衛門、そしておじの我當も勤めてきました『夏祭浪花鑑』の団七でございますから、この博多座で僕が勤められることが、とてもうれしく思っております」と、初めて博多座で団七を勤めることへの思いを語りました。

 

 「六月博多座大歌舞伎」のみどころは、昼の部、夜の部通して、演目が華やかで色とりどりであることだと話す愛之助。「それぞれ違った魅力があるので、ぜひすべて観ていただきたい。そして、まだ歌舞伎をご覧になられたことのない方にも、今博多座で歌舞伎の公演があるから、ぜひ行こうとお誘い合わせのうえ、お越しください」と、笑顔で呼びかけました。

 博多座「六月博多座大歌舞伎」は、6月3日(土)から19日(月)までの公演。チケットは博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売中です。

2023/05/17