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「南座 歌舞伎鑑賞教室」初日の賑わい

 2023年5月12日(金)、南座で「南座 歌舞伎鑑賞教室」が初日を迎えました。

 平成5(1993)年に始まった南座の歌舞伎鑑賞教室は、昨年、7年ぶりの開催で好評を博しました。今年も新たに上方の伝統芸能を担う出演者陣を迎え、2部構成で上演します。

 

 幕開きは、『歌舞伎の講釈』。講談師の旭堂南龍が歌舞伎の歴史、隈取りや舞台装置について、明快な語り口で解説します。続いて南龍の講談に合わせ、歌舞伎俳優が立廻りを実演。迫力あるコラボレーションに、客席からは感心の声が漏れました。その後、観客からの質問に歌舞伎俳優が答える時間も設けられました。さらに南龍が「願絲縁苧環」のあらすじを講談らしくユーモアを交えて語ると、盛り上げる手腕に観客の期待が高まり、笑いと拍手に包まれ幕となりました。

 

 続いては、時代物の名作『妹背山婦女庭訓』より「願絲縁苧環」です。烏帽子折の求女(千次郎)と、求女に恋焦がれる蘇我入鹿の妹・橘姫(りき彌)、杉酒屋の娘・お三輪(吉太朗) の恋模様が、常磐津で語られます。求女の問いに応じる品格ある橘姫のクドキ、続くお三輪の町娘らしいクドキでは、それぞれの情感豊かな表現に観客は一気に引き込まれます。橘姫とお三輪が求女を巡って取り合う様子は、二人の対照的な仕草が印象的です。そして三人の華やかな踊りとみどころが続き、苧環の糸を手にそれぞれが恋する相手を追う姿に、満場の拍手が送られました。

 南座「南座 歌舞伎鑑賞教室」は21日(日)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

 

2023/05/15