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仁左衛門が北野天満宮で『菅原伝授手習鑑』成功祈願

2025年9月2日(火)から始まる歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」『菅原伝授手習鑑』に出演の片岡仁左衛門が、京都・北野天満宮で公演成功祈願を行いました。
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「学問の神様」として親しまれる菅原道真公(菅丞相)の悲劇を軸に、菅丞相を取り巻く人間模様がドラマチックに描き出される、歌舞伎三大名作の一つ『菅原伝授手習鑑』。歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」でAプロ、Bプロの2通りの配役で通し上演され、仁左衛門は、昼の部Aプロ『筆法伝授』、『道明寺』で、菅丞相を勤めます。歌舞伎座での通し上演は、松竹創業120周年の平成27(2015)年以来、約10年ぶりとなります。

今回の公演では、Aプロ、Bプロの2通りの配役で、世代を超えた豪華な競演が実現します。昼の部Bプロで菅丞相を勤める幸四郎へ、「(菅丞相を勤めるときは)とにかく演技は意味がないんです。台本を読み込んで、自分なりの丞相様をイメージし、その気持ちになりきって自然体で動くしかない。そういう気持ちを幸四郎君にも伝えたい」と、仁左衛門はアドバイスを送ります。
また、今回の公演で、若手に学んでほしいことを聞かれると、「役者はそれぞれ個性があり、そのお家ごとに、考え方、型がある。私には私の型があるので、‟こういう気持ちで取り組むんですよ”という、精神を伝えたいですね。役になりきるということ、そして、せりふを覚えるということ。家に帰って台本を見ながらせりふを言うと、今まで気がつかなかったことに気がついていく。ここは(過去に)こうしていたからということで終わってはいけない。私もいろいろな方の映像を拝見したり、台本を読み込み、‟あ、この言葉にはそういう意図が隠れていたんだ”と未だに発見する」と語りました。

京都の北野天満宮を訪れ、成功祈願を行った仁左衛門は、「ほかのお役ももちろん大切ですが、丞相様は全国にお社があり、多くの信者の方がいらっしゃる。あくまでお芝居ではございますが、‟天神様はあんな人だったのか”とならないように、皆様のご期待に沿えるように演じなければ、丞相様に申し訳ない。父(十三世片岡仁左衛門)、祖父(十一世片岡仁左衛門)の代から、このお役は精進潔斎してから勤めています。父も特に大切にしてきたお役ですので、汚さないように頑張ります」と、気を引き締めました。
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歌舞伎「秀山祭九月大歌舞伎」は、9月2日(火)から24日(水)までの公演。チケットはチケットWeb松竹、チケットホン松竹ほかで販売中です。