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八代目菊五郎が語る、「松竹大歌舞伎」
2026年7月7日(火)から全国19会場で行われる、「松竹大歌舞伎」に出演する八代目尾上菊五郎が、公演への思いを語りました。
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令和7(2025)年5月に歌舞伎座で始まった八代目尾上菊五郎襲名披露の締めくくりとなる、全国巡業「松竹大歌舞伎」。「菊五郎の名跡を八代目として襲名させていただきまして、1年が経ちましたが、まだまだスタートラインに立ったに過ぎません。先人たちが築き上げてきたもの、心血を注いで守ってきた芸や型を受け継ぐということは、その精神や、魂を受け継いでいくことだと思っております。昨年5月に襲名してから、菊五郎という名前の重みや、菊五郎に対する思いが、舞台を重ねるにつれ強くなっています。その責任と、皆様にいただいたご声援、温かな気持ちを胸に、皆様に背を押していただいて、毎日舞台を勤めております」と、菊五郎は語ります。
約8年ぶりとなる巡業については、「その土地に伺って、空気や文化に触れるのがとても好き」と、楽しみにしている様子。「巡業は一座の結束が生まれるおもしろさがあります。気心の知れた皆様ばかりなので、この一座の雰囲気を大切にしたい。地方のお客様は歌舞伎の公演を心待ちにしてくださっていると思います。歌舞伎の華やかさ、日本文化に触れていただく機会をもっていただきたい」と、意気込みました。
今回上演される演目は、音羽屋にとってゆかりのある『藤娘』と『魚屋宗五郎』。菊五郎は、『藤娘』について、六世菊五郎が演出を刷新し、祖父である七世尾上梅幸が大切にしてきた作品であることを強調し、「藤の大木に藤の精が絡み、かわいらしく踊るのがみどころです。祖父の藤娘が私の目指すところでございます。可憐で、いつまでも年齢を感じさせないその藤の精の可愛らしさに、どうしたら近づけるのかと、今でも模索しております」と、真摯に話します。
『魚屋宗五郎』は、菊五郎がかつて巡業で初役として勤めた思い出深い作品です。「父の近くでおなぎという役を何度か勤めさせていただき、父の雰囲気、江戸世話物の雰囲気は感じていたものの、いざ自分がやってみると大きな違いを感じました」と、当時を振り返ります。「江戸の息遣い、生きている人たちの言葉遣いや仕草や体遣いも含めて、初演の時には自信のなさでいっぱいでした。しかし、回数を繰り返していくうちに、自分の肚に役が落ちて、自分が宗五郎という役に収まり、自分なりの宗五郎が生まれてくる。今回で3回目となりますが、やっと宗五郎が馴染んでくるのではないかと自分自身に期待しています」と、力強く語りました。
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「松竹大歌舞伎」は7月7日(火)から31日(金)まで、全国19会場で開催。チケットの詳細は公演情報のお問い合わせ先でご確認ください。
