歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



かんざしを持つ、よろこび

一般用のかんざし。かんざしのさし方には、とくに決まりはないが、自信のない方は、まずは美容院でかんざしに合うようにセットしてもらうのもおすすめ。

日本舞踊のかつら。

 三浦さんは、歌舞伎のかんざしだけでなく、日本舞踊や演劇、そして一般女性のためのかんざしも手がけています。

 「そもそも、かんざしは冬でも青々とした常緑樹の力を自分の身体に取り込もうと、木の枝を髪にさしたのが始まりとも言われています。古来の人にとって、大切なお守りのような存在だったのでしょう。

 時代が下って江戸時代になるとかんざしもバリエーションが豊かになります。江戸のデザインは秀逸で、心という文字に鍵がぶらさがった図案、つまり心に鍵をかける、なんていう粋なものも。男性から女性にプレゼントしたのでしょうね。

 一般の方のためのかんざしは、使いやすいようにちょっと小ぶりにしています。銀製のものもお作りしていて、ギラギラしない乳白色で、独特の味わいがあります。今は、かんざしをさす人も少なくなりましたが、日本女性なら1本は持っていてもらいたいですね。」

 かんざしは、1本持てば母から娘へ代々受け継ぐことができます。成人式や婚礼、あるいは記念日などに、家紋の入ったかんざしを誂えてみるのも楽しいかもしれません。

かざり工芸 三浦
住所: 東京都墨田区東駒形3-22-7
電話: 03-3622-1232

※店舗はありません。
既製品のかんざしのほか、お誂え品の注文や、古いかんざしの修理なども受けています。

取材協力/有限会社 光峯床山
文/田村民子、写真/TONY、構成/黒田幸(編集部)

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