
【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。

帯締めの房のお手入れ方法

数珠の房。非常に強い撚りをかけてあるため、逆さまにしてもしならない。裕之さんが手掛けた房を用いた数珠は、湯島にある念珠店「平野屋清太郎商店」で取り扱っている。

石川県「升井彩本乾漆店」の輪島塗の数珠。房は裕之さんが担当。
柏屋は、組紐とともに房(フリンジ)の専門店でもあります。そこで、帯締めのお手入れについてアドバイスをいただきました。
「房の部分は着物を着られる前日くらいにやかんの蒸気にあてて、くしでとかすときれいにクセが直ります。それから正絹の組紐は、湿らせないことが大事。湿気をもったままだとカビてしまったり、臭いが出たりします」
柏屋では、歌舞伎よりも古い時代に成立した能の装束の組紐も作っています。歌舞伎と能では似たような衣裳もありますが、歌舞伎の舞台で用いられる組紐は、能よりもデフォルメされて太く重くする場合が多いそうです。いろいろおはなしをうかがうと組紐という細部を切り口に、多くの発見がありました。みなさんも歌舞伎の舞台をご覧になるときに、組紐に注目されてみてはいかがでしょうか。
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歌舞伎の逸品
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