公演情報詳細
三月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2017年3月3日(金)~27日(月)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
真山青果 作
真山美保 演出
今井豊茂 演出
一、明君行状記(めいくんぎょうじょうき)
池田光政 青地善左衛門 妻ぬい 弟大五郎 若党林助 木崎某 吉江某 筒井三之允 磯村甚太夫 山内権左衛門 | 梅玉 亀三郎 高麗蔵 萬太郎 橘太郎 寿治郎 松之助 松江 権十郎 團蔵 |
二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 女房お柳実は典侍の局 相模五郎 銀平娘お安実は安徳帝 入江丹蔵 武蔵坊弁慶 源義経 | 仁左衛門 時蔵 巳之助 市川右近 猿弥 彌十郎 梅玉 |
十世坂東三津五郎三回忌追善狂言
三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
どんつく
荷持どんつく 親方鶴太夫 若旦那 太鼓打 町娘 子守 太鼓持 太鼓持 田舎侍 芸者 白酒売 門礼者 大工 | 巳之助 松緑 海老蔵 亀寿 新悟 尾上右近 秀調 彌十郎 團蔵 時蔵 魁春 彦三郎 菊五郎 |
夜の部
双蝶々曲輪日記
一、引窓(ひきまど)
南与兵衛後に南方十次兵衛 濡髪長五郎 平岡丹平 三原伝造 母お幸 女房お早 | 幸四郎 彌十郎 錦吾 廣太郎 右之助 魁春 |
二、けいせい浜真砂(けいせいはまのまさご)
女五右衛門
南禅寺山門の場
石川屋真砂路 真柴久吉 | 藤十郎 仁左衛門 |
河東節開曲三百年記念
歌舞伎十八番の内
三、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
花川戸助六 三浦屋揚巻 くわんぺら門兵衛 朝顔仙平 通人里暁 三浦屋白玉 福山かつぎ 傾城八重衣 同浮橋 同胡蝶 同愛染 男伊達山谷弥吉 同 田甫富松 文使い番新白菊 奴奈良平 国侍利金太 遣手お辰 三浦屋女房お京 曽我満江 髭の意休 白酒売新兵衛 口上 後見 | 海老蔵 雀右衛門 歌六 男女蔵 亀三郎 梅枝 巳之助 新悟 尾上右近 廣松 児太郎 宗之助 男寅 歌女之丞 九團次 市蔵 家橘 友右衛門 秀太郎 左團次 菊五郎 右團次 右之助 |
みどころ
昼の部
一、明君行状記(めいくんぎょうじょうき)
明君と呼ばれた男の名裁き
備前国岡山の池田光政は明君の誉れ高い藩主でしたが、ある日、家来の青地善左衛門は、禁猟地内で、そうとは知らずに鳥を撃ち落としてしまいます。御禁制を犯した者は死罪の定めですが、光政が彼を救おうと懸命に思案する一方で、日頃から光政の明君ぶりに疑いの目を向けていた善左衛門は、己の一命を賭けて光政の本心を探ろうとします。
血気盛んな善左衛門を、厳しい言葉の中にも優しさをもって諭す光政。真山青果作品ならではの人間の本心に迫るせりふの応酬が聞きどころの一幕です。
二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
復讐を企てた知盛の壮絶な最期
兄頼朝の追手から逃れるため九州へ向かう義経一行は、大物浦の船問屋である渡海屋で出船を待っています。実は渡海屋の主人銀平は、壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛で、典侍の局や安徳帝とともに素性を偽り暮らしています。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。典侍の局は義経に帝を托して自害すると、それを見た知盛も血まみれの体に碇綱を巻きつけ、海中へと身を投げるのでした。
平家再興を願った武将の末路を描いた義太夫狂言屈指の名作をご堪能ください。
三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
江戸の風情を賑やかに魅せる風俗舞踊
参詣人で賑わう亀戸天神の境内。その中で、ひときわ人目をひくのが、太神楽の親方鶴太夫と太鼓打、荷物持ちのどんつく。江戸っ子らしい親方のきびきびとした動きと、田舎者のどんつくのしぐさが人々の笑いを取り、曲芸を見せる彼らの周囲に大勢の人が集まると、賑やかに舞い納めるのでした。
陽気でおかしみがあり、江戸の情緒を存分に感じさせてくれます。十世坂東三津五郎が得意とした舞踊を、三回忌追善狂言として上演いたします。
夜の部
一、引窓(ひきまど)
親子、兄弟それぞれの義理と人情が交差する世話物の名作
主筋への義理で人を殺めてお尋ね者になった相撲取りの濡髪長五郎は、南与兵衛の家に住む、母お幸のもとを訪ねて来ます。実は長五郎はお幸の実子で与兵衛は先妻の産んだ子。そこへ代官に取り立てられ、十次兵衛を名のることを許された与兵衛が戻ります。しかし喜ぶのも束の間、与兵衛に命じられた初仕事は、長五郎を捕縛することでした。実子と義理の息子の間で苦しむお幸の姿を見た与兵衛は…。
明かり取りの天窓を舞台装置として巧みに利用し、母と弟を救う兄の心情が胸をうつ一幕です。
二、けいせい浜真砂(けいせいはまのまさご)
恋しい男は敵の息子…揺れる女心が見どころ
春爛漫の南禅寺の山門で傾城真砂路があたりの景色を眺めています。実は真砂路は真柴久吉に滅ぼされた武智光秀の娘で、父の無念を晴らす機会を窺っているのでした。しかし、真砂路が恋仲になったのは、なんと父の仇である久吉の息子久秋。しかも、同じ廓の傾城が久秋を好いていると知り、真砂路は心中穏やかではありません。ひとり思案に暮れていると、山門の下から一人の巡礼に声をかけられ…。
今作は、男性が主役の『楼門五三桐』を女性に置き換えての上演となります。真砂路の豪華な衣裳や山門の色鮮やかな様式美をお楽しみください。
三、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
江戸の粋と美学が詰まった豪華絢爛な一幕
賑わう新吉原仲之町。花川戸助六は夜ごと吉原に現れてはところかまわず喧嘩をふっかけています。実は助六は曽我五郎で、相手に刀を抜かせて源氏の重宝友切丸の行方を捜しているのです。助六は、花魁の揚巻に執心の髭の意休へ悪態をつき、刀を抜かせようとしますが、相手にされません。一方、助六の実の兄である白酒売の新兵衛は、弟の様子を案じて意見しますが、紛失した刀詮議のためとの真意を知ると、助六と連れだって喧嘩をしかけはじめます。そこへ兄弟の母満江がやって来て…。
歌舞伎十八番の一つで、粋で華やかな江戸歌舞伎を代表する名作。今回は「河東節開曲三百年」を記念しての上演となります。
続きを読む