公演情報詳細
演目と配役
昼の部
小國英雄 原案
巌谷槇一 作
石川耕士 補綴・演出
一、男の花道(おとこのはなみち)
加賀屋歌右衛門 田辺嘉右衛門 山田春庵 加賀屋歌五郎 富枝妹雪乃 加賀屋歌助 按摩杢の市 松屋忠兵衛 万八の女将お時 山崎順之助 田辺妻富枝 加賀屋東蔵 土生玄碩 | 猿之助 門之助 男女蔵 巳之助 米吉 隼人 弘太郎 寿猿 笑三郎 猿弥 笑也 竹三郎 平岳大 |
二、艶姿澤瀉祭(はですがたおもだかまつり)
市川猿之助宙乗り相勤め申し候
幹部俳優出演 |
夜の部
三上於菟吉 原作
石川耕士 脚本・演出
市川猿之助 演出
雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)
市川猿之助早替り並びに宙乗り相勤め申し候
中村雪之丞/闇太郎 脇田一松斎 土部駿河守後に土部三斎 門倉平馬 軽業のお初 丑三ツの次郎 三斎娘浪路 むく犬の源次 中村菊寿郎 侍女滝乃 中村菊之丞 雪太郎母ゆき おもと 孤軒先生 | 猿之助 門之助 男女蔵 巳之助 米吉 隼人 梅丸 弘太郎 寿猿 笑三郎 猿弥 笑也 竹三郎 平岳大 |
みどころ
昼の部
男の花道
艶姿澤瀉祭
昼の部は、日本の演劇史に残る名作『男の花道』と、新作舞踊『艶姿澤瀉祭』の二本立てという華やかな狂言立てです。
『男の花道』は、昭和16(1941)年に公開され、大ヒットした長谷川一夫主演の同名映画(小國英雄脚本、マキノ雅弘監督)を舞台化した作品。舞台での初演は、同37(1962)年の大阪新歌舞伎座で、主演は映画と同じ長谷川一夫でした。
江戸時代の人気女方、加賀谷歌右衛門と名医・土生玄碩(はぶげんせき)の友情物語。二人とも実在の人物がモデルで、明治時代にはすでに講談の題材となり人気を博していたといいます。
文化5年、大阪・道頓堀。中の芝居では歌右衛門の芝居が大当たり。しかしシーボルトからオランダ医学を学んだ名医、土生玄碩は、歌右衛門の目が悪いことを察知します。次第に目が見えなくなってくる歌右衛門は絶望のあまり死のうとしますが、玄碩の手術で完治、二人の間に厚い友情が生まれます。4年後、名実ともに名優となった歌右衛門は舞台の途中、玄碩の危急を知り…という展開です。
猿之助による初演は平成22(2010)年5月の名古屋・御園座。命をかけた友情という古今東西、普遍のテーマをブラッシュアップし、娯楽性豊かな新しい歌舞伎作品として現代に蘇らせたのです。
一方『艶姿澤瀉祭』は、“祭”というタイトルにふさわしく、日本舞踊を華やかにショーアップした“ザッツ・エンターテインメント”。平岳大も共演、豪華な顔合わせでお届けします。舞踊をラスベガスのショーで見るような感覚で楽しめる作品です。
夜の部
雪之丞変化
戦前戦後を通して大衆の絶大な支持を集めた名作を、エンターテインメント性たっぷりに舞台化した作品です。
過去、長谷川一夫主演の舞台や映画が一世を風靡、宝塚歌劇団でも上演されるなど、歌舞伎役者、雪之丞の復讐の物語は圧倒的な人気を誇ってきました。
猿之助扮する主人公、中村雪之丞は上方の人気女方。幼い頃、長崎奉行と悪徳商人の画策で、廻船問屋の父は濡れ衣を着せられて自害、母も殺されてしまいました。その復讐を誓う一子、雪太郎(雪之丞)の活躍が、妖しく美しく、冒険活劇を見るようにスリリングに描かれます。
両親が亡くなってから15年後、美貌と芸で、上方の人気役者に成長した雪之丞は復讐を誓い、両親の仇を討つため剣の修業を積みます。師の脇田一松斎に奥義を授けられるほどの腕前になった雪之丞はやがて、江戸にお目見え、宿敵の土部三斎や広海屋らと出会い…。劇中、雪之丞と、土部三斎の娘、浪路との恋あり、女スリのお初、義賊・闇太郎の暗躍など、手に汗にぎる展開です。
これまでの雪之丞作品にない宙乗りあり、古典歌舞伎の劇中劇ありと、猿之助らしい趣向満載の華やかな作品となりました。
猿之助は、雪之丞と闇太郎の2役を演じ分けます。立役と女方を兼ねる役者らしい猿之助の魅力あふれる舞台です。
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