勘九郎、七之助「十八世 中村勘三郎 一周忌メモリアルイベント」で舞踊を披露

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 10月27日(日)、東京 築地本願寺で「十八世 中村勘三郎 一周忌メモリアルイベント」でが開かれ、中村勘九郎、中村七之助、そして勘九郎の長男、波野七緒八が、舞踊『偲草鶴競猿若舞(しのびぐさつるくらべさるわかまい)』を披露しました。

 美しくライトアップされた築地本願寺の秋の夕暮れ、野外に設置された特設ステージから、平成中村座の『夏祭浪花鑑』にも出演した上田秀一郎の和太鼓の音が響き渡り、イベントが開幕。勘九郎と七之助が姿を現すと、集まった3200人を超えるファンから大きな拍手が起こりました。

 台風の影響も心配されましたが、夕焼けの美しい晴天に恵まれ、勘九郎は「父のためにお集まりくださってありがとうございます。父も喜んでいると思います。その証拠がこの天気です」と切り出しました。「そんな父の演出、湿っぽくならずに進めていきたいと思います」との言葉を受けて、笑福亭鶴瓶が登場、大竹しのぶ、柄本明、伊藤英明、江川卓、青木功、永島敏行、渡辺えり、野田秀樹、笹野高史とのトークショーが始まりました。

「十八世 中村勘三郎 一周忌メモリアルイベント」
 舞台やドラマでの共演など初めての出会いの話から、大好きだったゴルフや酒の席での話などが次々に飛び出し、会場は明るい笑いに包まれました。続いて、『大江戸りびんぐでっど』の作・演出を担当した宮藤官九郎らのビデオメッセージが流され、36年前の曲の勘三郎の声とデュエットで歌を披露した大竹は「歌舞伎の中に哲明さん(勘三郎)はずっといると思う。応援してください」と、故人に語りかけました。

 そのあと、製作中のドキュメンタリー『映画 中村勘三郎』のダイジェスト上映が行われ、入場者へもその短縮版が配布されました。映画は全国12カ所の芝居小屋で11月29日(金)から、東京では東劇で12月21日(木)~1月3日(金)に公開予定です。

 最後は勘九郎、七之助、七緒八による舞踊。勘九郎、七之助の連舞いから始まり、終盤には七緒八が登場して拍手喝采を浴びました。家の稽古場と舞台の大きさが違い、「練習ではうまくいかなかったところが、本番では(父の遺影を見て)できました」と、勘九郎。七之助が「3人で踊れるのも父のお蔭。僕自身、勘三郎ファンだったので寂しいのですが、七緒八が父に似てきたのでこれからが楽しみです。歌舞伎が発展していくことを切に願っております。皆様のお力をお貸しください」と、感謝の思いを込めて述べ、2時間余のイベントは終了しました。

「十八世 中村勘三郎 一周忌メモリアルイベント」

2013/10/28